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「河北春秋」/東北の村が日本に愛想を尽かし分離独立を宣言する/河北新報

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「河北春秋」

「あんだ旅券ば持って居だが」。東北の村が日本に愛想を尽かし分離独立を宣言する。井上ひさしさんの『吉里吉里人』は列車のシーンで始まる。英国では現実になるかもしれない。ロンドン発の特急がスコットランドに差し掛かると「これから国境を越えます」

 ▼一緒なのが不思議なぐらい、中枢が集まるイングランドと北部のスコットランドは角突き合わせる。「スコットランド人はけちで商売にならん」と冷やかせば「君たち浪費家とは違う」と紳士面をするジョークはごまんとある

 ▼ジョークの応酬は国同士で当てこするものだから特殊なのだろう。スコットランド独立を問う住民投票がきょう行われる。南北統合は日本の江戸中期。フランスなどと覇権を争っている間はうまみがあっても、斜陽になれば連合王国にいる意味は薄まる

 ▼国際ウオッチャーによると、近くの北海油田の存在があるという。「新しい富が直接落ちれば豊かになる。ロンドンよりEU本部のあるブリュッセルを向き始めている」と放送大教授の高橋和夫氏は指摘する

 ▼慌てた女王までお出ましになる事態に。ナポレオン、ヒトラーが渡ることのできなかったドーバー海峡の向こうで内から溶解し、シャッポの部分が脱げる? これほど世界が注目する1票はそうない。

2014年09月18日木曜日 河北新報

    


         

ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。

独立二日目、吉里吉里国の通貨イエンのレートは日本円に対して刻々上昇、世界中の大企業が進出した。だが国外から侵入した殺し屋や刑事らも徘徊、ついに初の犠牲者が出る。さらに日本国自衛隊も吉里吉里国最大の切り札四万トンの金の奪取に乗り出した。SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て……小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。  http://www.amazon.co.jp/から

  

 スコットランドの独立の賛否を問う住民投票も気になるところだが、下の『吉里吉里人』も面白そうだ。我が日本国では独立に決起する道府県やリーダーは出て来はしないだろう。橋下徹氏?無理無理!中央集権で東京にお金が集まるようになっているもんね!徳川幕府みたいなものだ。

 スコットランドはそれを怒っているんだ。小父さんは、スコットランドと言うと最後には処刑されたスコットランド女王(メアリー1世、在位:1542年12月14日 - 1567年7月24日)を思い出してしまう。


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