写真はブログフランス「リヨン」の12ヶ月と素敵な仲間たち!からお借りした
金言:観光大国への道=西川恵
毎日新聞 2013年12月13日 東京朝刊
<kin−gon>
友人のフランス人弁護士夫婦が観光で初来日した。京都、大阪、瀬戸内、東京と回る1週間の旅。落ち合った東京で夕食に招き、日本のいい点、悪い点をたずねた。
いい点。清潔、親切、丁寧は予想通りだったが「日本人の自然をめでる姿勢」は初耳だ。裕福な2人、京都で高級ホテルを予約しようとしたが、すべて満室。ガイドに理由を聞くと紅葉シーズンだという。「日本人は紅葉を鑑賞するためにわざわざ旅行すると知った」と夫婦。そういえばフランスには花見、紅葉のシーズンに人々が大移動する習わしはない。
悪い点。「住所を探せない」。夫婦は目当ての日本料理店の住所を持って近くまで行ったが探せず、通行人に聞いても分からない。結局、店に電話して迎えに来てもらった。確かに道路に番地が記されている米欧と違い、町名と番地で場所を探し当てるのは外国人には至難のワザだ。
もう一つ。「目が合っても背ける。欧州では目が合えば互いにニッコリほほ笑むのに。最初は我々が不愉快なことでもしたかと思った」。日本人には目を見合うと失礼だという思いがあるとの説明に「上海では中国人はニッコリ笑い返してきた。同じアジアでも違うのかな」と夫婦。
世界的に観光の大競争時代が始まっている。裾野の広い観光産業は経済への波及効果も大きく、各国は外国人呼び込みに力を入れる。日本は今年、訪日外国人が1000万人を超えるようだが、それでも人口で半分以下の韓国に人数で後れをとっている。やっと競争に加わる資格を得たというところだ。
日本はなぜ観光行政が立ち遅れたのか。一つは、本来観光はどの役所にも関係し、組織の仕切りを越えて横断的な横串を刺すところで展開してこそダイナミックな政策が可能になる。それが縦割り行政によって有機的な連携がなされてこなかった。
観光を産業の柱に据えるという考えも乏しかった。外国人が2000万人に倍増したら、雇用は何人増えるか言うべきだ。査証(ビザ)の取得条件を幾つかのアジアの国で緩和したが、外国人が訪れやすくするための仕掛け作りは不十分だ。例えばお金はないが、旅行の好きな若者が立ち寄りたくなるようなシステム(鉄道、宿泊、美術館などの格安利用)だ。
豊かな観光資源を抱えながら、これまで日本は宝の上にあぐらをかいていた。2020年に訪日外国人の2000万人達成は日本の弱点克服にかかる。(専門編集委員)
そうだったのか!京都駅や姫路城に明石海峡大橋なんかを歩くと外国人にたくさん出会うけど観光行政は立ち遅れているのか!日本はまだまだ閉鎖的なのかな?
なんだか韓国には何もかも喰われていくと思っていたが、ここでも人口5千万人の韓国に引き離されているのか。まさか、外国人観光客のみんなが、韓流ドラマだけに釣られて韓国に流れて行っているのではあるまいに!
今、日本の観光行政のトップは、国土交通省の外局、観光庁 こちら。なんだかウェブサイトだけ見てもパッとしないね。これでは外国人観光客を呼べそうにない(泣)。
金言:観光大国への道=西川恵
毎日新聞 2013年12月13日 東京朝刊
<kin−gon>
友人のフランス人弁護士夫婦が観光で初来日した。京都、大阪、瀬戸内、東京と回る1週間の旅。落ち合った東京で夕食に招き、日本のいい点、悪い点をたずねた。
いい点。清潔、親切、丁寧は予想通りだったが「日本人の自然をめでる姿勢」は初耳だ。裕福な2人、京都で高級ホテルを予約しようとしたが、すべて満室。ガイドに理由を聞くと紅葉シーズンだという。「日本人は紅葉を鑑賞するためにわざわざ旅行すると知った」と夫婦。そういえばフランスには花見、紅葉のシーズンに人々が大移動する習わしはない。
悪い点。「住所を探せない」。夫婦は目当ての日本料理店の住所を持って近くまで行ったが探せず、通行人に聞いても分からない。結局、店に電話して迎えに来てもらった。確かに道路に番地が記されている米欧と違い、町名と番地で場所を探し当てるのは外国人には至難のワザだ。
もう一つ。「目が合っても背ける。欧州では目が合えば互いにニッコリほほ笑むのに。最初は我々が不愉快なことでもしたかと思った」。日本人には目を見合うと失礼だという思いがあるとの説明に「上海では中国人はニッコリ笑い返してきた。同じアジアでも違うのかな」と夫婦。
世界的に観光の大競争時代が始まっている。裾野の広い観光産業は経済への波及効果も大きく、各国は外国人呼び込みに力を入れる。日本は今年、訪日外国人が1000万人を超えるようだが、それでも人口で半分以下の韓国に人数で後れをとっている。やっと競争に加わる資格を得たというところだ。
日本はなぜ観光行政が立ち遅れたのか。一つは、本来観光はどの役所にも関係し、組織の仕切りを越えて横断的な横串を刺すところで展開してこそダイナミックな政策が可能になる。それが縦割り行政によって有機的な連携がなされてこなかった。
観光を産業の柱に据えるという考えも乏しかった。外国人が2000万人に倍増したら、雇用は何人増えるか言うべきだ。査証(ビザ)の取得条件を幾つかのアジアの国で緩和したが、外国人が訪れやすくするための仕掛け作りは不十分だ。例えばお金はないが、旅行の好きな若者が立ち寄りたくなるようなシステム(鉄道、宿泊、美術館などの格安利用)だ。
豊かな観光資源を抱えながら、これまで日本は宝の上にあぐらをかいていた。2020年に訪日外国人の2000万人達成は日本の弱点克服にかかる。(専門編集委員)
そうだったのか!京都駅や姫路城に明石海峡大橋なんかを歩くと外国人にたくさん出会うけど観光行政は立ち遅れているのか!日本はまだまだ閉鎖的なのかな?
なんだか韓国には何もかも喰われていくと思っていたが、ここでも人口5千万人の韓国に引き離されているのか。まさか、外国人観光客のみんなが、韓流ドラマだけに釣られて韓国に流れて行っているのではあるまいに!
今、日本の観光行政のトップは、国土交通省の外局、観光庁 こちら。なんだかウェブサイトだけ見てもパッとしないね。これでは外国人観光客を呼べそうにない(泣)。