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昔は「ベトナム」、今は「ガザ」 米大学で広がる反戦デモ 逮捕者も

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警備員と衝突するニューヨーク市立大のデモ隊=ニューヨークで2024年4月25日、中村聡也撮影

毎日新聞 2024/4/26 17:12 有料記事

 米国各地の大学で、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に対する抗議活動が相次いでいる。活動は人種や宗教の壁を超えて広がり、一部では逮捕者も出るほど過熱。イスラエルの最大の政治的、軍事的後ろ盾となっている米国で一体何が起きているのか。

 「ガザが泣いている。これ以上の犠牲は容認しない」。4月23日、東部ニューヨーク州マンハッタン地区の公園には、隣接するニューヨーク大の学生ら数百人が集まって気勢を上げていた。白人、黒人、アジア系と人種はさまざまで、アラブ系だけが多いわけではない。パレスチナに連帯を示そうと、伝統の織物「クーフィーヤ」を頭に巻き付けている人もいる。

 デモ隊は「ジェノサイド(集団虐殺)戦争」と書かれたプラカードを掲げてガザで多数の民間人が犠牲になっていることに抗議し、「パレスチナに自由を!」と唱和して叫んでいた。


ニューヨーク大に隣接する公園で、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に抗議するデモ隊=ニューヨークで2024年4月23日、中村聡也撮影 

 怒りの矛先は大学にも向かい、「シオニスト(イスラエル支援者)の献金者は大学から手を引け」と要求する姿も見られた。大学や警察とのトラブルを警戒し、身元がばれないようにサングラスやマスクを着けている学生も多い。

 同大の博士課程に在籍するミシュアルさん(32)は「バイデン大統領はガザへの攻撃を続けるイスラエルに対して民間人の保護を優先するよう求める一方、軍事支援も続けている。言動が一致していない」。ミランダさん(23)も「米国の支援を受けたイスラエルの行為は、帝国主義によるパレスチナの植民地化だ」と訴えた。

 ニューヨーク大では前日の22日、数百人が敷地内の広場を占拠し、許可なく抗議活動を展開。大学の要請を受けたニューヨーク市警によって、133人が秩序を乱したなどとして逮捕されたばかりだった。

 なぜ米国でパレスチナに共感する若者が増えているのか。理由の一つはネット交流サービス(SNS)の普及だ。米NBCニュースは専門家の話として、建物破壊や食料不足など悲惨な人道状況を伝える映像や画像がSNSで拡散し、若者が心を痛めていることが背景にあると指摘している。

 もう一つ見逃せないのが、2020年に拡大した社会運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大事だ)」の影響だ。白人警官が無抵抗の黒人に暴力を振るった事件をきっかけにデモや抗議活動が相次ぎ、理不尽な暴力や差別に対する意識が高まった。


コロンビア大の敷地内にテントを張って抗議する人たち=ニューヨークで2024年4月22日、AP 

 米国では昨年10月の戦闘開始以降、大学で抗議活動が続く。今回、この流れを加速させたのはマンハッタン地区のコロンビア大だった。同大のデモ隊は4月17日から大学敷地内にテントを張り、大学がイスラエルとつながりを持つ企業との関係を断ち切るまで居座ると宣言した。これを受けて、大学側は立ち退きを要請したものの、デモ隊は応じず、市警が翌日、不法侵入容疑で108人の逮捕に踏み切った。

 さらに東部コネティカット州のエール大や中西部ミネソタ州のミネソタ大などでも大学敷地内に居座ったデモ隊が排除され、逮捕者が出た。

 抗議活動の波は各地の大学に広がっており、25日には、マンハッタン地区のニューヨーク市立大で、デモ隊の一部が警備員と衝突。怒号が飛び交い、現場は一時騒然となった。デモ隊が張っていたテントを警備員が撤去しようとしたことが一因とみられる。


地面に書かれていた「パレスチナを解放せよ」のメッセージ=米ニューヨークの公園で2024年4月23日、中村聡也撮影

 ただ抗議活動は、反ユダヤ主義的な言動に結びつく危険性もはらんでいる。コロンビア大ではデモ隊がユダヤ系学生に対して「地獄へ落ちろ」「子どもを殺すのをやめろ」などと責め立てる映像がSNSで拡散。これを受け、同大に所属するラビ(宗教指導者)は21日、ユダヤ系学生に対し、安全上の懸念があるため大学に近づかないよう呼び掛けた。

 バイデン米大統領も懸念を示しており、22日には、南部バージニア州のイベントで報道陣に対し「反ユダヤ主義的なデモを非難する」と強調。ただ「パレスチナの人々に起きていることを理解しない人々も私は非難する」とも述べた。

 米国では1960年代、ベトナム戦争に介入する政権に抗議する反戦運動が学生の間で始まり、やがて人種差別解放運動や労働運動とも結びついて世界的なうねりになった。

 米国では11月の大統領選に向けて、ガザ問題を巡るバイデン氏の対応を批判する声が高まっている。米紙ニューヨーク・タイムズとシエナ大が昨年12月に実施した共同調査によると、バイデン氏の対応を「支持しない」とした人は全体の57%。18~29歳に限ると、その割合は72%に上った。若者の動向が大統領選や国際情勢にも影響を及ぼす可能性がある。【ニューヨーク中村聡也】


ニューヨーク大に隣接する公園で、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に抗議するデモ隊=ニューヨークで2024年4月23日、中村聡也撮影 


警備員と衝突するニューヨーク市立大のデモ隊=ニューヨークで2024年4月25日、中村聡也撮影 


抗議活動の参加者を逮捕するニューヨーク市警==ニューヨークで2024年4月22日、AP 


警備員と衝突するニューヨーク市立大のデモ隊=ニューヨークで2024年4月25日、中村聡也撮影 



 昔を思い出すね~。ベトナム戦争と違うのは、米軍が介入して旗を振っていないことだが、その頃の反戦運動によてフォークソングと呼ぶのか?反戦歌が日本でも大流行した。日本にもベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)という学生もたくさん参加した大きなうねりがあったな~。

 バイデンさんはダブルスタンダードだし、どことなくプーチン氏やトランプ氏にも似てきたような気もするね。こんな矛盾だらけの世の中に警鐘を鳴らすのが学生なのだが、日本の学生は無関心層が多いのでは?先ずは写真の米大学生たちへ期待しよう。

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