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余録 / 江戸時代は総じて気温が低かったとされるが… /  毎日新聞

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『愛宕山から見た江戸のパノラマ』 撮影者:フェリーチェ・ベアト 1865-1866頃 ~ 写真は吉祥寺時間からお借りした



毎日新聞  2022/6/30 東京朝刊

 江戸時代は総じて気温が低かったとされるが、幕末は違ったようだ。シーボルトは1861年に江戸の夏には木陰でも34度を超えることがあると記した。「地表の空気が、黒くて厚い屋根瓦によって異常なほど暖められた当然の結果」と指摘している

▲当時の写真を見ると、見渡す限り、瓦屋根の家々が並ぶ。建造物の放射熱はヒートアイランド現象の原因の一つである。太陽熱を吸収しやすい黒い瓦が気温上昇の一因になっても不思議ではない

▲舗装道路はなく、緑も多かった。人工排熱につながる自動車や冷房もなかったが、人口100万を超える世界有数の大都市だ。欧州では19世紀に大都市の気温上昇が記録されている。江戸も今につながる都市問題を抱えていたのではないか

観測史上初めて6月に40度を超えた群馬県伊勢崎市内の噴水で遊ぶ子供たち=2022年6月25日午後3時8分、吉田航太撮影


▲6月としては異例の猛暑が続く。群馬県伊勢崎市では2度目の40度以上を記録した。最高気温の歴代トップ10には山形市の40・8度(1933年)を除き2007年以降の記録が並ぶ。東京、名古屋近郊の都市が多く、ヒートアイランド現象の影響が指摘されている

東京タワー周辺=2019年7月

▲東京五輪前には猛暑対策に注目が集まり、道路の遮熱塗装や緑化が進められ、打ち水が奨励された。「喉元過ぎれば……」では困る。猛暑が続けば、熱中症も「災害級」の被害をもたらしかねない

▲物理学者の寺田寅彦は昭和の初めに「夏の夕べの涼風」を「帝都随一の名物」と評した。林立した高層ビルの影響で海風が遮られ、姿を消したといわれる。風情を取り戻す息の長い対策はないものか。

 今晩のテレビでは、政府が東京電力管内の「電力需給ひっ迫注意報」解除したと聞いたが、明日の名古屋は40度になる予想をしていた。さあて、日本全国の猛暑対策にはどんな対策があるのかは検討もつかない。政府の海外援助もいいが、国民のための予算は付けられているんだろうか?

 しかし、1861年の江戸が屋根瓦で気温が上がっていたなんて初耳だね。私の育った福岡の家こそ黒くて厚い屋根瓦だったけど、家の周りには木が生い茂っていて、もちろんエヤコンなんてない時代、暑い夜も家中の戸を開けっ放しで蚊帳の下で過ごせていたね。それでも家族から熱中症なんて出た記憶はなかった。コロナに慣れてきたら、今度は熱中症か。救急隊員さんに病院は盆休暇もゆっくり取れないだろうね。大変な時代だ。



 

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