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土記  東京の感染、見えている?=青野由利  / 毎日新聞

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毎日新聞 2020年3月21日(土) 東京朝刊
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 新型コロナウイルスの今後の感染拡大がもっとも気になるのはどこか。この3連休は大阪と兵庫が注目かもしれないが、個人的にはやっぱり東京だ。これだけの人口密集地で、これだけの巨大な経済活動が営まれている。ひとたび感染爆発が起きたら手がつけられないだろう。

 ところが、その割に危機感が薄く感じられるのはなぜだろう。東京都の発表によると3月20日朝の時点で感染者の累計は、チャーター便やクルーズ船関係を除いて118人。検査実施人数は1848人。検査した人の約6%が感染者だったことになるが、これでは実態はよくわからない。

 気になるデータは他にある。ひとつは新たな感染者の数だ。グラフを見ると、増減のでこぼこはあるものの、感染者は増加傾向にある。

 もうひとつ重要なのは、誰から感染したかわからない人が増加していることだ。今週、政府の専門家会議がまとめた新たな分析・提言によると、こうしたリンクの追えない感染者が増えている地域が都市部を中心に散発している。中でも東京は、そうした感染者の数も増加も目立っている。

 リンクが追えない感染者の増加は、その背景に見えない感染クラスターがある可能性を示している。感染爆発のリスク因子だ。このままいくと、大都市圏で突然、爆発的な患者の急増が起きてしまうと、専門家会議は危機感を抱いている。イタリアやスペイン、フランスなどの感染爆発の仕方をみると、杞憂(きゆう)とは思えない。

 では東京都の対応は? 都の感染症対策課に聞くと拍子抜けする。たとえばリンクの追えない感染者数は独自に集計していないので即答できないという。どういう場所で感染したか、どの感染者同士がつながっているかといった、感染リスクを知るのに重要な情報も、屋形船の集団感染以降、積極的に公開していない。

 大阪府や新潟市などがライブハウスや卓球スクール、スポーツジムなどでの集団感染を早くから公開し、感染拡大を防ごうとしているのと対照的だ。

 専門家会議は感染者が増えた時に検査が陽性でも軽症なら自宅療養といった医療体制についても提言している。都は協議会で検討するというが、協議会そのものがまだ設置されていないというから、間に合うの?と不安になる。世界の都市が新型コロナに屈する中で、東京が持ちこたえるために今すべきことは何か。まさに瀬戸際だと思う。(専門編集委員)
  
  論説委員・青野由利さんのこの警鐘は響きますね!ほんと、「東京オリ・パラ2020はの完全な形で実施」、なんて呑気なこと言っている場合ではないでしょう。首都圏で、爆発的な患者の急増てなことになったら首都機能そのものが撃沈ですね。青野さん有難うございました。

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