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写真 eye もっと甘く、もっと強く 奈良・田原本町 / 毎日新聞

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検査のために割られた試作スイカ。空洞の有無や糖度のほか、試食によって食感なども調べる=奈良県田原本町で2017年6月5日、山崎一輝撮影


 奈良県は「大和スイカ」の産地だが、全国に占めるスイカ生産量としては1%にも満たない。しかしそんな奈良県が、スイカ種子の供給では全国の約80%を占めており、実は日本のスイカ栽培をけん引している。その供給量のほぼ半分を、スイカとメロンの専門種苗会社、萩原農場(奈良県田原本町(たわらもとちょう)、萩原俊嗣社長)が担う。


果汁を糖度計にたらし、ひとつひとつの糖度を調べる=奈良県田原本町で2017年6月5日、山崎一輝撮影


糖度計をのぞく社員=奈良県田原本町で2017年6月5日、山崎一輝撮影


出荷予定のスイカの種=奈良県田原本町で2017年6月12日、山崎一輝撮影


真剣な表情でスイカの種の遺伝子を分析する研究員=奈良県田原本町で2017年6月12日、山崎一輝撮影


交配を重ね、ビニールハウスで栽培したスイカを検査のために収穫=奈良県田原本町で2017年6月12日、山崎一輝撮影


萩原農場の玄関に並べられたさまざまな品種のスイカ=奈良県田原本町で2017年6月5日、山崎一輝撮影



毎日新聞東京夕刊 2017年6月17日
 明治末期、萩原社長の祖父・善太郎さんが病床で見舞品の西洋スイカを食すと、その甘さに感動、スイカに注目するきっかけとなった。1916(大正5)年、品種改良と採種事業を起こし、37年に新品種「富研号(ふけんごう)」を開発。甘く、割れにくくて輸送にも耐えられ、全国に広がった。

 種子の開発には途方もない時間を要する。品種の違うスイカ同士による「他家交配」でハイブリッド種を作り、できた同じ品種同士の交配を何代も繰り返す。また、露地やビニールハウス、暖房機で加温するしないなど違う環境で栽培し、適さないものを淘汰(とうた)していく。新しい種子を生み出すためには、7000~8000個のスイカを試作することになる。

 その過程では、消費者ニーズを考えた甘さや食感の改良と、病気に強く収穫量も多いなど生産者の要望に応えることの両立を図らなければならない。そのために社員は全国に足を運び、市場や農家で現場の声を聞く。近年は、一定の硬さがあり、ザクザクとした食感が好まれる傾向で、食味と風味が良く、皮の際まで甘い「祭ばやし777」が人気という。

 現在、全国で栽培されているスイカは約20品種という。同社は創業以来、50以上のスイカの種子を開発してきた。作りやすさとおいしさの全ての要素を兼ね備えるようなスイカを目標に、研究が尽きることはない。<写真・文 山崎一輝>(すべて奈良県田原本町で今月撮影)   

  
 よく日本の果物が美味しいという外国の声を聞くが、この写真と記事を読んで納得できるね。科学がここにも存在していたんだ。昔、日本酒造りの人と話す機会があったが、その人も先生と呼ばれた学者肌の人だったことを思い出した。




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