女の気持ち:最後の試合 大阪府枚方市・巽節子(パート・45歳)
毎日新聞 2014年08月01日 大阪朝刊
長男は中学から野球を続けて6年目になる。高校3年の夏を迎えた。
闘争心というものからほど遠く優しい性格だ。加えて面倒くさがりで、中学生の頃から、自分で決めたトレーニングが続かず、三日坊主ならぬ一日坊主なことがたくさんあった。が、けがをしても休まず、野球が好きでここまで頑張ってきた。
野球をしているにしてはきゃしゃで、監督に「細い」と言われ続けた。合宿に行けば、「メシ食え」と言われ、修学旅行での宿泊先でも「野球をやっているわりに、細いなあ。たくさん食べや」と言われたほどだ。体質的に食べても身にならないのだろう。
「細いと言われ続けたけれど、細くてもここまでやれるというところを見せる」と言っていた今回の大会である。強豪校との対戦だったが、宣言通り、いいプレーができたと思う。試合は負けたが、本人も納得のいくものだったようだ。
その日の夜、面と向かっては照れくさかったのだろう。背中越しに、「今まで野球を続けさせてくれてありがとう」と息子が言った。私は、野球はお金がかかるとか、ドロドロのユニホームを洗うのが大変だとか、文句を言いながらも応援していたし、楽しませてもらった。もう着ることのない泥だらけのユニホームを洗おうとした時に、それまで出てこなかった涙が一気にあふれてきた。
私こそ、ありがとう。高校球児の母を経験させてくれて。
いいなー、高校野球でこんな親子関係が築けて・・・。親は与えるばかりで損な部分もあるが巽節子さんみたいな息子を育てることが出来たらこれくらい得なことはない。
我が息子が家内に「くそばばあ〜!」とののしって「くそばばあのお陰で大きくなったのは誰や〜!」なんて返していたのは憶えているが、柔道をやっていて「ありがとう」なんて言ったことはあったかな?(笑)。ひょっとしたら巽さん親子にもそんな光景は見られたかも知れないが?(笑)
巽節子さん、大変お疲れさまでした。りっぱな息子さんで羨ましいです。ありがとうございました。
プールメモ:久々に夜のプールに行った。以前行った時は合計5人もいなかったんじゃーなかったかな?残念ながら今日は30以上居て、7:30くらいまで二つの教室もやっていた。屋外ジャグジー風呂もご婦人で満員のために入らなかった(笑)。でも21時前、プール場を出た時の気持ちのいいこと!また行くとするか。