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水や空 「生きる喜びセミの歌」 / 長崎新聞コラム

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 写真はとんび岩通信からお借りした   

  


水や空 「生きる喜びセミの歌」/ 長崎新聞コラム2014年7月31日

 夜明けを待ち切れないようにセミが鳴きだす。ワーシ、ワシ、ワシ! 一段と大きな声はクマゼミだろう。黒光りのする体に金色の産毛、透明な羽には草色の筋が走る。日本で最も大きい。その声はあたりを圧倒する力強さである

 ▲来日したドイツ人が公園でセミの声を聞いて「あの鳴く木を下さい」と言って日本人をびっくりさせたという話がある。セミは日本中にいる。だがヨーロッパ北部ではなじみのない昆虫なのだ

 ▲フランス文学者の奥本大三郎さんが著書「ファーブル昆虫記」(集英社)で紹介している。ファーブルが過ごした南フランスは温暖でセミがたくさんいる。なぜセミは鳴くのか。何でも自分で確かめないと気が済まないファーブルは祭りに使う大砲を借りて、セミの聴力を試した

 ▲ドーン。耳をつんざくような音が地響きを立てた。しかし木に止まったセミに変化はなかった。ファーブルは「セミの耳はよく聞こえないから大きく鳴く。この世に生まれたうれしさと生きている楽しさを表すため、歌っている」と結論付けた

 ▲現在の研究ではセミは腹部の膜で音を感じると言われ、大砲はセミの聞き取る音の範囲に入っていなかったとされる。息苦しさを感じるような今夏。セミの声に命の輝きを見たファーブルの感性がいとおしい。(宣)

  

 そうだ!小父さんが子供の頃は、博多でクマゼミのことを「ワシワシ」って呼んでいた。他の地域ではどうなんだろう?今年はまだクマゼミの鳴き声は聴かないが、3〜4年前には異常発生で樹木の幹から枝にかけて無数のワーシ、ワシ、ワシが鳴いていた。

 正直なところうるさかった!でもあんまり鳴かない年には変に寂しくなる。人間って勝手なものだ(笑)。

上のドイツ人の鳴く木も面白いが、ファーブルの大砲も滑稽だね。後世に名を残すような人はきっと当時は変人扱いされたんじゃーないのかな?


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