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金言:欧州の新しい風景=西川恵 「スコットランドは目の前の北海油田の利権が・・・」 毎日jp

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写真はブログ旅行と本からお借りした   


  

金言:欧州の新しい風景=西川恵「スコットランドは目の前の北海油田の利権が・・・」

毎日新聞 2013年12月20日 東京朝刊

 <kin−gon>
 ドイツの詩人ゲーテ(1749〜1832年)の「イタリア紀行」の中に、暮らしていたワイマールをたち、駅馬車を乗り継いでイタリアに向かう場面がある。いまの中部ドイツからオーストリア、そしてイタリアと3国にまたがる旅である。

 ゲーテの観察が面白い。ドイツ語だけの地域からイタリア語なまりのドイツ語に、そして両国語が混在し、最後はイタリア語だけになる。山側(オーストリア)の人々は正直だが貧しく、平地(北イタリア)の人々は快活で生活も豊かだ。戸にカギもかけず、ゲーテが旅籠(はたご)で戸にカギをかけようとすると笑われる。

 国境検査がない時代。ハプスブルク支配地域からベネチア共和国にいつ入ったかもはっきりしない。別の地域に入ったと感じさせるのは人々の相貌、性格、言葉で、国境ではない。フランス大革命(1789年)が勃発する3年前の、色合いを微妙に変えた地域の連なりからまだ欧州が作られていた時代である。

 いま欧州は再びこのような時代に静かに向かっているのではないか。来年、英国のスコットランド(9月)とスペインのカタルーニャ自治州(11月)は、国からの独立を問う住民投票を行う予定だ。

  

 独立を目指す表向きの理由は経済的なものだ。スコットランドは目の前の北海油田の利権が政府に握られていることの不満。カタルーニャは富が税金で政府に吸い上げられ、他の遅れている地域に注がれていることへの不満だ。

 両国だけでない。イタリアでは豊かな北部地域のイタリアからの分離・独立を主張する政党が高い得票率を得ている。ベルギーでは北部地域と南部地域が対立し、豊かな北部地域が独立志向を強める。

 ただ経済的な観点を強調しすぎると本質を見誤る。求心力の深部には歴史と文化を共有してきた地域の固有性と独自性への希求があるからだ。国内の地域だけではない。同一文化圏であったにもかかわらず、戦争などで別々の国に引き裂かれた地域も一体性への求心力を強めている。

 南オーストリアと北イタリアにまたがるチロル地方。南仏と北スペインにまたがるバスク地方。海を隔てて同じケルト人の祖先をもつ仏ブルターニュ地方と英国とアイルランド……。

 スコットランドとカタルーニャの住民投票は、結果はどうあれ諸地域の固有性の希求に拍車をかけるだろう。「国の分裂」ではあるが、「地域の連なりからなる欧州」という元の形に戻るプロセスでもある。(専門編集委員)




 いやー、ずいぶん地理と歴史の勉強をしたぞ〜!関連のリンクも読みつくしたらちょっとした物知りになれそう(笑)。上の記事は、今の日本でも「大阪都を作るんだ」と息巻いている動きにも似ていないかな。国は保守的だし、人間も保守的に出来ているから極端な変化は望まないことが多いと思うからなかなか実現しないだろうね。

 いやスコットランドとカタルーニャは「新しい国を作る」と言っているのか!でもヨーロッパはほとんどが経済共同体!EUだって元はドイツとフランスの為に作られたと思うんだが、極東の日中韓ほどにはぎくしゃくしてないとは思うけど・・・。昔も今も国境があってなさそうなのがいいね〜。

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