きょうのコラム「時鐘」 暑さでバテたせいか、セミは簡単に捕まり・・・ 北國新聞

写真はブログ茜雲残日録からお借りした　　

　　　　　

きょうのコラム「時鐘」 2013年8月14日 北國新聞

近所の公園で、帰省中（きせいちゅう）の子どもたちがセミ捕（と）りをしていた。暑さでバテたせいか、セミは簡単に捕（つか）まり、次々と空に放（はな）たれた
「お盆のときは捕まえたらいかん」と、年長（ねんちょう）の子が教えている。親の言いつけを守る感心（かんしん）な子たちである。盆に殺生（せっしょう）は禁物（きんもつ）。そう教えながら、大人たちは刺身（さしみ）に舌鼓（したつづみ）を打つのだから、偉（えら）そうな口はきけないかもしれない

墓地に出向き、先祖（せんぞ）を供養（くよう）する。信仰心の篤（あつ）い北陸でも、墓地に時代の風は吹いているようで、無縁（むえん）になったり、移設された墓石の跡が目につく。魂（たましい）は、墓の中ではなく風になっていると、ヒット曲は歌う。その言い分は分かるが、ふるさとの土に眠る人たちを実感する盆の習（なら）わしも大事にしたい

放たれるセミを見て、子どものころを思い出した。そういえば、盆に限らず、セミを捕って帰ったら大人に叱（しか）られた。長く地中で過ごした後、セミは地上で短い命を終える。「すぐに放せ」と言う親の目を盗（ぬす）んで持ち帰り、あっけない死骸（しがい）を何度も見せつけられた

お盆は、子どもたちと生と死を話すときでもある。セミ捕りの子を見て、そう気付かされた。




　数日前に近くの公園でもセミ捕りの子供たちを見かけた。この光景は夏らしくって、子供ぽくって何ともいいね〜。ついつい応援したくなる。

>盆に殺生（せっしょう）は禁物

　そんな言葉は何となく覚えてはいるが、小父さんの親はセミを捕って帰ったら叱るようなことはしなかった。
近所に、お幼馴染がごろごろいたが、どの親もそうは言わなかったと思う。

　>お盆は、子どもたちと生と死を話すときでもある。

　これはいいことだと思う。息子が幼稚園でザリガニをお墓に埋めて帰って来て「可哀そうやろう」と言っていたとか。生きものの命を子供のうちからしっかりと教えていくことが大切だ。木々や花を育てるのもいっしょだね。いや、バーチャルリアリティな世界に住んでいることが多い子供たちにとってはとても貴重な時間だろう！　

　　無縁仏はよく見かけるね〜。この先100年経ったら小父さんもそこにいるだろう。墓が全国各地に建てられる分無縁仏も自ずから増えていく。その跡地はマンションか工場か森になるのかな？願わくば森になって欲しい（笑）。