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本 / 『永遠の0(ゼロ)』 百田尚樹 著

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内容紹介
「生きて、必ず生きて帰る。妻のそばへ、娘の元へ」
涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくる――。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。

「俺は絶対に特攻に志願しない。妻に生きて帰ると約束したからだ」
「真珠湾に参加するとわかっていたら、結婚はしませんでした」
「零戦はかつて無敵の戦士でしたが、今や――老兵です」
「私には妻がいます。妻のために死にたくないのです」
「私は帝国海軍の恥さらしですね」

※本書は2006年8月、太田出版より単行本として刊行されました。

特集ページ ⇒ 講談社




 百田尚樹さんの出光興産の創業者・出光佐三の『海賊とよばれた男』があまりにも痛快だったので本屋の店頭でこの本を手にしてみたが、読み始めて「えっゼロ戦の話し?」ってものだ。文庫本で589ページ、長い長い、延々と続く戦闘のお話。

 でも百田さんがこんな形で太平洋戦争を紹介してくれたことには感謝したい。何と言っても導入と結びはすばらしい。フィクションと史実のとりまぜが見事だ。亡くなられた俳優の児玉清さんは、テレビで本の紹介番組を持っていたが、その彼が13ページもの解説で絶賛している。もっとも児玉さんは小学生の頃が終戦でゼロ戦はあこがれだったらしいが、バックグラウンドと人生に重なる部分が大いにあったのだろう。私も涙したが児玉さんは号泣するのを懸命に歯を喰いしばってこらえたとか。

 今、思い出した。石原慎太郎さんがが原作、製作総指揮を執った映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』も特攻隊員がテーマだったことを読みながら頭の中を巡っていた。この本は視点が別のところにある。

 『永遠の0(ゼロ)』は、特攻隊の青年たちの本当の姿、口にも文にもしたためていない真実や気持ちを投影していると感じた。隊員や家族に国民の心の内側はこうだったんだろうね。当時はタブーな言葉を発したら非国民と後ろ指をさされる時代、我々の両親や祖父、祖母たちはこんな時間軸の中で生き抜いてきたのかと疑似体験した気がした。ちなみに小父さんの父、祖父共職業軍人なのだ。

 検索していたらこの12月21日に映画も監督は山崎貴氏で豪華キャストで公開されるんだね。これも見なくちゃー! 


     


零戦との闘い−アメリカからの証言 1 of 5



 上の動画は本を読んだ人、今から読む人にとっても参考になりますよ。

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