余録:礼服姿の昭和天皇と軍服姿で腰に手をあてる…
毎日新聞 2013年07月14日 00時27分
礼服姿の昭和天皇と軍服姿で腰に手をあてる連合国軍総司令部のマッカーサー元帥(げんすい)。1945年9月27日撮影された写真は多くの人の目に焼き付いているだろう。終戦直後、その歴史的会見に至るまでの日本を描いた米ハリウッド映画「終戦のエンペラー」が近く公開される
▲マッカーサーはなぜ天皇の戦争責任を求めなかったのか。元帥の側近で、戦争責任に関する証言集めに奔走(ほんそう)したフェラーズ准将(じゅんしょう)を軸にフィクションを織り交ぜながらドラマは進む
▲プロデューサーは配役担当として米映画界で活躍中の奈良橋陽子(ならはしようこ)さんが務めた。トミー・リー・ジョーンズさんが元帥、片岡孝太郎(かたおかたかたろう)さんが昭和天皇を演じるなど俳優も多彩。先に封切られた米国では一部メディアから「日本に甘過ぎる」との声も出たが、大半は好意的だったようだ
▲実は奈良橋さんの祖父は映画に登場する宮内次官で、父も外交官だ。幼い頃から世界と接してきた奈良橋さんが「日本から発信すべきテーマ」を模索する中で出会ったのが、元毎日新聞記者の岡本嗣郎(おかもとしろう)さんが2003年死去する前年に出した本だった
▲映画の原作となった岡本さんの「終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし」(集英社) にも触れておこう。原作の中心人物で恵泉女学園創設者の河井道(かわいみち)(1877〜1953年)は戦前渡米し、講演して歩いた教育者だ。国際的な視野を持ち戦中も平和を訴え、戦後フェラーズの助言役となった女性がいたことを私たちは誇っていい
▲1カ月後には「8・15」がまた来る。あの戦争とは何だったのか。日米関係はどうあるべきか。世代を超え改めて考えたい夏だ。
なんだかこの“余録”は、映画の紹介みたいだが、これは是非とも観ておきたいね。
小父さんの父は職業軍人だった(今、読んでいる本によるとこの言葉は戦後、いい印象に使われていなかったことを知った)。父が戦地より戻ってから、小父さんは1947年に誕生し団塊の世代の一員となったわけだ。
父は戦争のことをほとんど語らなかったが、ある時こんなことを質問したことがある。「戦争に負けてアメリカ国に対しては嫌いにならなかったのか?」と。すると父は「友達と喧嘩したあとで親たしくなることがあるだろう。戦争も似ている」と。
戦争中のことをいろいろ知るにつけ、しばし複雑の思いにかられる。でも一人の日本人としていったい何があったのかそして、今後はどうあるべきなのかは残りの人生で自分なりしっかり考えていく必要を感じている。
映画に戻るとトミー・リー・ジョーンズって缶コーヒーのBOSSの宣伝をしていた人だね。奈良橋陽子さんは小父さんと同年で、映画『ラストサムライ』や『SAYURI』にも関わったそうだ。公開が待ち遠しい!