Quantcast
Channel: 小父さんから
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4332

パー券問題 信頼回復へ、小手先の改革では済まぬ=政治部長・松尾良 / 毎日新聞

$
0
0
記者団の取材に応じる岸田文雄首相=首相官邸で2024年1月19日午前9時32分、竹内幹撮影


毎日新聞 2024/1/19 19:52(最終更新 1/19 20:24) 有料記事

 自民党の国会議員3人と3派閥の会計責任者らが立件されるだけでも異常事態である。しかし、多くの国民の実感は「トカゲのしっぽ切りで終わるのか」というあきれと失望に違いない。

 政治資金パーティーを巡る裏金事件で、巨額の不明朗なカネを操作していた安倍派をはじめ、有力な派閥幹部の立件は見送られた。岸田文雄首相と各派閥は全容を解明し、残さずつまびらかにすべきだ。

 リクルート事件に端を発した改革から30年余り。政治資金をガラス張りにするという理想は風化した。そもそも政治資金規正法を守らない政治家は論外だが、「政治資金収支報告書に記載していれば何も問題はない」という自民党の常識もまた、世間の非常識である。

 民間に税などの申告を厳しく課しながら、政治家たちのカネには多くの抜け道が敷かれ、記載漏れも「訂正すればおとがめなし」が珍しくない。国民感覚に照らしてあまりに緩く、あまりに不透明だ。

 各党が提起する規正法の「強化」も、装いを変えたザル法を生んでしまっては元のもくあみだ。あらゆる穴を徹底的に塞ぎ、厳しく監視できるかが問われる。

 派閥批判の高まりを受けて首相は岸田派の解散を表明し、追随する派閥も出た。ただし、自民党はこの数十年間に「派閥解消」を何度も宣言している。それでも派閥は政策集団などと称して生き延び、ほとぼりが冷めればまた大手を振ってポストとカネの配分に熱中した。首相自身もそしりを免れず、唐突な表明には党内の権力闘争の臭いさえする。うのみにすることはできない。

 怒り疲れた国民は政治参加に嫌気がさし、低迷する投票率が議席と政策の正統性を掘り崩している。政治の使命が重みを増す困難な時代に、本来の議員活動や選挙のコストさえ疑いの目を向けられる。この無残な現状は、歴代政権と国会の怠慢が招いた結果そのものだ。

 小手先の改革で済むわけがない。今度こそ死に物狂いで信頼回復へ踏み出さなければ、日本の政党政治にはもう後がない。


 宏池会(この間まで岸田派)を抜けたはずの岸田総理が「宏池会を解散する」と宣言したら「二階派(志帥会)」も解散すると二階・元幹事長は記者会見して、夜には安倍派(清和政策研究会)も総会を開いて解散を決めたとか。

 それだけでパー券問題を幕引きだと勘違いしたら困りますよ。昼間に車を運転しながらテレビから聞こえてきた評論家の意見は「派閥が全廃されたら部長のいない会社みたいなもの」と面白い表現をしていた。

 問題は派閥じゃなくって政治資金を規制する法制化なんでしょ。立法化しても抜け道があるものしか出来ないだろうけど。金丸信脱税事件逮捕 に関わった当時の検事が、「一番くやしがっているのは、安倍派幹部の5人衆だか7人衆だかよく知らないけれど、ここに切り込めなかったこと」とテレビで語っていたね。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4332

Trending Articles