写真は、皇居・東御苑にある江戸城天守台の石積み~千代田区観光協会からお借りした
毎日新聞 2023/12/23 東京朝刊
始まったら止まらないといわれる公共事業にブレーキがかけられた事例の痕跡が東京都心にある。皇居・東御苑にある江戸城天守台の石積みがそうだ
▲江戸時代の1657年、「明暦の大火」で天守閣が焼失したため幕府は再建を図り、加賀藩の普請で天守台を築いた。ところが、幕閣重鎮の保科正之は「天守閣はもともと実用的なものではない。今、人力を費やすべきではない」と意見し、建造は見送られたとの記録がある。正之の関与度に慎重な見方もあるが、事業が途中で止められたことは間違いあるまい
▲膨張が止まらないのが大阪・関西万博を巡る諸費用である。会場建設費が2350億円に増えると公表されたかと思えば、今度は運営費が1160億円にのぼると判明した。国費による負担分は1647億円に達し、地元はさらに負担が重なる
▲これとは別に関連のインフラ整備費が9・7兆円かかり、8390億円分が万博に直接関係するとも説明している。会場への交通アクセス整備はカジノを含む統合型リゾート(IR)構想につながる
▲次々と耳慣れぬ数字が飛び出す。公金支出がどこまで増えるのか心配になるが、予算を削る具体策は見えない。必要性が物議をかもす建設費350億円の木製大屋根(リング)の工事を視察した自見英子万博担当相は「万博のシンボルになると確信した」という
▲着工後であっても方針を見直すくらいの柔軟さ、大胆さが必要ではないか。江戸期の為政者の判断はいまも、たたえられている。
はて?打出の小槌は誰が持っているんでしょうね?はぁ~、国民の?そりゃ~ないぜ!
建設進む「大屋根(リング)」 350億円の費用に批判も
毎日新聞 2023/12/23 東京朝刊
始まったら止まらないといわれる公共事業にブレーキがかけられた事例の痕跡が東京都心にある。皇居・東御苑にある江戸城天守台の石積みがそうだ
▲江戸時代の1657年、「明暦の大火」で天守閣が焼失したため幕府は再建を図り、加賀藩の普請で天守台を築いた。ところが、幕閣重鎮の保科正之は「天守閣はもともと実用的なものではない。今、人力を費やすべきではない」と意見し、建造は見送られたとの記録がある。正之の関与度に慎重な見方もあるが、事業が途中で止められたことは間違いあるまい
▲膨張が止まらないのが大阪・関西万博を巡る諸費用である。会場建設費が2350億円に増えると公表されたかと思えば、今度は運営費が1160億円にのぼると判明した。国費による負担分は1647億円に達し、地元はさらに負担が重なる
▲これとは別に関連のインフラ整備費が9・7兆円かかり、8390億円分が万博に直接関係するとも説明している。会場への交通アクセス整備はカジノを含む統合型リゾート(IR)構想につながる
▲次々と耳慣れぬ数字が飛び出す。公金支出がどこまで増えるのか心配になるが、予算を削る具体策は見えない。必要性が物議をかもす建設費350億円の木製大屋根(リング)の工事を視察した自見英子万博担当相は「万博のシンボルになると確信した」という
▲着工後であっても方針を見直すくらいの柔軟さ、大胆さが必要ではないか。江戸期の為政者の判断はいまも、たたえられている。
はて?打出の小槌は誰が持っているんでしょうね?はぁ~、国民の?そりゃ~ないぜ!
建設進む「大屋根(リング)」 350億円の費用に批判も