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余録 /「刺激されるのは視覚だけではなかった… / 毎日新聞

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噴火から10年となる西之島。断続的な火山活動で島は大きく成長した=東京都小笠原村で2023年10月30日午前9時57分、本社機「希望」から手塚耕一郎撮影

毎日新聞 2023/11/20 東京朝刊

 「刺激されるのは視覚だけではなかった。むせかえるような海鳥のにおいが嗅覚を襲う」。2016年、小笠原諸島・西之島に上陸した調査チームの言葉だ。西之島が約40年ぶりに噴火したのは、10年前のきょうだった

▲新たに生まれた島から流れ出した溶岩は、元の島をのみ込んで約10倍の面積に。世界自然遺産に登録された貴重な生態系も失われた。活動が落ち着いた16年10月、初の上陸調査が可能となり、アオツラカツオドリなどの海鳥が、火山灰に覆われた島で命を育んでいることが確認された

▲ところが、19年から翌年にかけての噴火で、生き物は再びすみかを奪われる。それでも現在、海鳥や昆虫は戻ってきている。驚くべき生態系の回復力である

▲今年度から日本の火山防災体制が大きく変わった。気象庁の諮問機関「火山噴火予知連絡会」は研究と緊急時対応に専念し、日常の監視は気象庁が担うことになった。数少ない国内の火山学者の負担を減らすためという

▲研究者は日ごろ、噴火の現場を歩き、溶岩流や火砕流がもたらした石の姿などから活動の見通しを解き明かす。時に、靴底が焦げる異臭をかぎながら(宇井忠英「現場で熱を感じ探る 火山の仕組み」)

▲日本は世界有数の火山国だ。最近も、小笠原諸島・硫黄島の噴火で新島が生まれた。無人島での噴火は生態系の進化を知る好機となる。だが、人が暮らす地域では話は変わる。研究者の地道な蓄積と、それらに基づく備えが人命を守ることを忘れてはならない。


小笠原諸島の無人島、西之島(奥)の近くで新たに出来た島から上がる噴煙=東京都小笠原村で2013年11月11日、本社機希望から

「大海原に鮮やかな色彩 西之島噴火から10年」2013年11月15日 MAINICHI PHOTOGRAPHYには20枚の写真が掲載されている


 奇しくも今日、パプアニューギニアの火山が大規模噴火のニュースも飛び込んできた。火山列島の我が国では、予期せぬ御嶽山噴火で登山客の悲惨な大事故も発生したし、阿蘇山や霧島、桜島でもよく噴煙が上がるニュースを見る。ブログの訪問先ではよく「富士山の噴火が生きている間に発生しないように」とも書かれている。

 ちなみに1707年の「宝永噴火」の降灰分布図は下なんだって。


 【富士山大噴火から311年】「宝永噴火」がいま発生したら?~ウェザーニュースから

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