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余録 このごろ「悪所」という言葉をあまり耳に… / 毎日新聞

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浅草の寄席・・・ウイキペデイア 


毎日新聞 2023/10/23 東京朝刊

 このごろ「悪所」という言葉をあまり耳にしなくなった。かつての遊郭やばくち場といった所が思い浮かぶが、落語など演芸が上演される寄席も、そんな淫靡(いんび)なにおいがあったという

▲1935年生まれの芸能評論家、矢野誠一さんは中学2年で初めて新宿末広亭の木戸をくぐった。その感慨を雑誌「東京人」に寄せたエッセーで「貴顕紳士の来る場所に非(あら)ずといった風潮が、まだ残されていた」とつづる。「悪所に身を置くこと」に楽しみを覚えたとも

▲さかのぼれば老中・水野忠邦の「天保の改革」で風俗取り締まりの対象になった。江戸市中に200軒以上あった寄席は15軒になったという。幕末には盛り返したが、今度は震災や戦災、娯楽の多様化で次第に姿を消していった

▲そんな寄席を「お上」が作ったのは、大衆芸能の保存や育成を求める演芸人の声が高まったからだ。79年、東京・三宅坂に開場した国立演芸場は、隣が最高裁判所というお堅い土地柄のせいか、最初は不入りだったという

 
国立劇場。日本の伝統芸能の保存、振興など文化・芸術の向上を目的として1966年11月に開場した=東京都千代田区隼町で2019年1月20日、本橋和夫撮影

▲今月末、同じ敷地にある国立劇場の建て替えに伴い閉場する。40年以上の歴史で演芸ファンの裾野を広げてきた。25日までの特別企画公演「日本の寄席芸」が連日満員というのが、何よりの証左だ

▲だが、気がかりもある。資材の高騰などで演芸場も入る新施設の事業者が2回の入札でも決まっていない。2029年度末の再開場予定は不透明だ。芸はもちろん、音響や照明など舞台技術の伝承も大切な責務である。いいオチを願うばかりだ。

 う~~~ん、このコラムには興味はあるが、田舎者の私は新宿末広亭に国立演芸場は勿論のこと、遊郭やばくち場に落語など演芸が上演される寄席にも縁がなかったな~。けっさくなのは(失礼!)2029年度末の再開場予定の2回の入札でも決まっていないって、大阪・関西万博の建設とよく似ている気がする。2023年7月11日での東京で建設中・計画中の超高層ビルなんて競争で建ちあがっているのに・・・。

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