平敦盛の背負った母衣(ほろ)に見立ててつけられたアツモリソウ
毎日新聞 2023/5/4 東京朝刊
『一の谷合戦図屏風』舟へ戻ろうとする平敦盛を呼び止める熊谷直実
源義経が率いる騎馬隊が断崖絶壁を駆け下りた「一ノ谷の戦い」。平家滅亡につながる合戦では、平家の若武者、敦盛が命を落とした。背中に、風で布を膨らませる防具「母衣(ほろ)」を付けていた
▲その姿に似ていることから名付けられた植物がアツモリソウである。ランの一種で、ピンクの袋状の花が愛らしい。しかし、乱獲され、絶滅危惧種となった
▲花がクリーム色のレブンアツモリソウは、より深刻だ。北海道・礼文島だけで生育する。「島のアイドル」と呼ばれる観光資源だが、1980年代から盗掘が相次ぎ、約250株に減った時期もある
▲96年に国の保護事業が始まった。当時、大学生だった志村華子・北海道大講師は人工培養の研究に着手した。微小なランの種子には養分が含まれず、菌と共生して栄養を得る。自然に近い環境の再現は難しかったが、志村さんは約7年かけて、共生する菌を特定し、発芽の条件を突き止めた
▲島では人工培養が実施されるようになった。ただし、活動の柱は、野生の株の日当たりを確保するササ刈りなどで、培養した株を植える予定はまだない。志村さんは「人工的に増やすことに戸惑う島民もいる。やはり自然の中で他の植物と一緒に咲く姿が一番美しい。研究と保護活動が上手に役割分担をしていければと思う」と話す
▲野生のレブンアツモリソウは、今月下旬から開花シーズンを迎える。アツモリソウの花言葉は「君を忘れない」。みどりの日のきょう、自然のもろさや尊さを思い出す日としたい。
ひとり旅『礼文島にしか咲かない幻の花
「レブンアツモリソウ」を探して3日間』からお借りした
今日はみどりの日だったんだ。現在の朝ドラ『らんまん』は植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。今、ブログの訪問先では植物好きの人ばかり。先日、「スマホで撮ってグーグルレンズを押せば名前もわかるよ」とアドバイスいただいてウォーキングがてらにやってみると「これは面白い、私も植物学者になれそう!」と思ったものだ(笑)。元々山野を歩くのが好きだったんだから、これを機会に草花にも慣れ親しもう!
毎日新聞 2023/5/4 東京朝刊
『一の谷合戦図屏風』舟へ戻ろうとする平敦盛を呼び止める熊谷直実
源義経が率いる騎馬隊が断崖絶壁を駆け下りた「一ノ谷の戦い」。平家滅亡につながる合戦では、平家の若武者、敦盛が命を落とした。背中に、風で布を膨らませる防具「母衣(ほろ)」を付けていた
▲その姿に似ていることから名付けられた植物がアツモリソウである。ランの一種で、ピンクの袋状の花が愛らしい。しかし、乱獲され、絶滅危惧種となった
▲花がクリーム色のレブンアツモリソウは、より深刻だ。北海道・礼文島だけで生育する。「島のアイドル」と呼ばれる観光資源だが、1980年代から盗掘が相次ぎ、約250株に減った時期もある
▲96年に国の保護事業が始まった。当時、大学生だった志村華子・北海道大講師は人工培養の研究に着手した。微小なランの種子には養分が含まれず、菌と共生して栄養を得る。自然に近い環境の再現は難しかったが、志村さんは約7年かけて、共生する菌を特定し、発芽の条件を突き止めた
▲島では人工培養が実施されるようになった。ただし、活動の柱は、野生の株の日当たりを確保するササ刈りなどで、培養した株を植える予定はまだない。志村さんは「人工的に増やすことに戸惑う島民もいる。やはり自然の中で他の植物と一緒に咲く姿が一番美しい。研究と保護活動が上手に役割分担をしていければと思う」と話す
▲野生のレブンアツモリソウは、今月下旬から開花シーズンを迎える。アツモリソウの花言葉は「君を忘れない」。みどりの日のきょう、自然のもろさや尊さを思い出す日としたい。
ひとり旅『礼文島にしか咲かない幻の花
「レブンアツモリソウ」を探して3日間』からお借りした
今日はみどりの日だったんだ。現在の朝ドラ『らんまん』は植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。今、ブログの訪問先では植物好きの人ばかり。先日、「スマホで撮ってグーグルレンズを押せば名前もわかるよ」とアドバイスいただいてウォーキングがてらにやってみると「これは面白い、私も植物学者になれそう!」と思ったものだ(笑)。元々山野を歩くのが好きだったんだから、これを機会に草花にも慣れ親しもう!