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元村有希子の科学のトリセツ /230 「コロナ生活」は限界? 緊張を緩める前に / 毎日新聞

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上の「石の上にも3年」は故事ことわざ辞典から、下の「3年目の浮気」は、てっきりマリリン・モンローの映画かと思ったら「七年目の浮気」だった(笑)



毎日新聞 2023/1/31 05:00 有料記事

 河村たかし名古屋市長が新型コロナウイルス対策について持論を展開したという。

「元気にみんなで飲んでカラオケ歌って、自然免疫をきちっと作るということは基本的な方法」

 昨年12月に出張したフランスでは多くの人がマスクをしていなかったことを紹介し、「それが世界のトレンド。(コロナは)軽いのではないか」とも語った。

 政治家からこういう発言が出てくるのは、世の中がこらえきれなくなっていることのあらわれでもある。

 サッカーW杯カタール大会の競技場を埋めた観客はノーマスクだった。厳しい「ゼロコロナ政策」が敷かれていた中国では、試合中継のカメラが観客席に向くたび、別の映像に切り替わっているなんて噂(うわさ)も広がった。

「石の上にも3年」「3年目の浮気」――。3年という時間は、人間の忍耐力の限界なのか。

 政府は、感染症法上の新型コロナの扱いを「2類相当」から、インフルエンザ並みの「5類」に引き下げる方針だ。

 ただし、国内では今も連日3けたの死者が出ている。全数把握をしていないので、実際にはこれ以上と考えていい。

 そうした犠牲を甘受して、河村さんの言う「集団免疫」を目指すのか。政治からのメッセージは明確ではない。

 実際、高齢者にとって、このウイルスは脅威であり続ける。感染第8波の死者の9割超が70歳以上だという。

 そうした影響もあるのだろう、昨年、歌舞伎座で行われた市川団十郎襲名披露公演は、平時なら歌舞伎ファンの高齢者で札止めになるところだが、空席が目立った日もあったと聞いた。

 規制が緩くなったからといって、ウイルスが退散したわけではない。医療逼迫(ひっぱく)のリスクも残る。政治は常に世論の受けがいい方に決断するが、目の前の問題が先送りされてはたまらない。

 コロナ対策分科会の尾身茂会長が、政治家と専門家の緊張関係について、朝日新聞の取材に語っている。

 コロナ禍で対峙(たいじ)した3政権全てで、専門家不在の決断プロセスがあったという。

 安倍晋三氏が打ち出した「一斉休校」、菅義偉氏が始めた「GoToトラベル」、岸田文雄氏が「科学的知見に基づいた」として踏み切った「濃厚接触者の待機期間短縮」だ。

 専門家に政策を決める権利はないが、政治家が科学の声を無視して決断すれば、国民が困る。

 この二十数年の間に、動物由来の感染症が4度、世界を揺るがした。単純計算すれば、20年代のうちに別のパンデミックが再来する。同じ轍(てつ)を踏まないよう備えることが、政治の仕事である。



もとむら・ゆきこ 北九州市生まれ。1989年毎日新聞社入社。科学環境部などを経て現在、論説委員。近著に『科学のトリセツ』(毎日新聞出版)。趣味は居酒屋、温泉

  繰り返し書いているが、私は元々保守的に育ってきた。70年安保の学生運動の時なんて完全に右翼だったと思う。

 ところが、小泉政権あたりから、民主党政権も含めてだんだん批判的になってきたが、安倍晋三、菅義偉、岸田文雄三政権に至って全く信用しなくなってしまった。一体全体、コロナ対策分科会の尾身茂会長(WHO西太平洋地域事務局名誉事務局長)をよくもまあ道具扱いしてきたものだと呆れている。

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