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社説 臨時国会が閉会 首相の主体性見えぬまま / 毎日新聞

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自民党役員会に臨む岸田文雄首相(左)。右は嶋田隆首相秘書官=東京都千代田区の同党本部で2022年12月13日午前9時29分、竹内幹撮影

毎日新聞 2022/12/13 東京朝刊

 終始、岸田文雄首相の主体性が見えなかった。臨時国会は閉会したものの厳しい政権運営が続く。

 懸案だった世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題では、献金の不当な働きかけを規制する法律が成立した。首相は記者会見で「先頭に立って実現に向けて力を尽くした」と強調したが、野党に追い込まれて動かざるを得なくなったのが実態だ。

 国会冒頭の演説で、現行法の改正で対処すると述べていた。ところが、自民党議員と教団の接点が次々と明らかになり、内閣支持率の低迷が続いた。

 一方、これまでいがみ合っていた立憲民主党と日本維新の会が国会で共闘し、独自の法案を共同提出した。幅広い救済を求める世論を背景に政府へ働きかけた。

 首相がようやく新法の提出を明言したのは、会期末まで残り1カ月に迫ってからだった。「聞く力」を発揮したというより、受け身の国会運営だった。

 問題閣僚への対応でも、自ら積極的に動こうとしなかった。

 「説明責任を果たしてもらう」と決まり文句を繰り返し、3閣僚を交代させたのは、批判をかわしきれなくなってからだ。野党からの追及が続く秋葉賢也復興相は、「政治とカネ」や選挙運動を巡る疑惑を払拭(ふっしょく)できていない。

 総額29兆円に上る巨額な補正予算の論戦は深まらなかった。閣僚に問題があれば、国会でただすのは野党の当然の役割である。予算審議がかすんだ責任は、人事で失敗を重ねた首相にある。

 置き去りにされた問題も多い。

 第2次安倍政権下で教団の名称変更が認められた経緯は、不透明なままだ。国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧・文書通信交通滞在費)の使途公開は、先の通常国会からの宿題だったにもかかわらず、またも先送りされた。

 夏の参院選を経て政権基盤を固めたはずの首相には、中長期的な課題への取り組みが期待されていた。だが、教団問題や閣僚の不祥事への対応に手いっぱいだった。

 政府を監視し、政策を議論する国会は、民主政治の土台である。機能させるには、首相が率先して政治に対する国民の信頼を取り戻さなければならない。

 もう隙間だらけで攻める気にもなれない。「唐突の連続」。国葬、旧統一教会断絶宣言、原発の推進、防衛予算の増額!一見冷静に見える首相だが、あの唐突感はトランプ前大統領をも思い出してしまう。政治評論家の誰だったか?「総理のまわりに支える人がいない」というようなことを言っていた。G7を広島で開催したところで、国連で岸田総理が安保理改革や核廃絶演説したのと同じように世界は何も変わらないでしょう。

 防衛予算で自民党の閣僚や役員から何人も増税の反対論が出ることは、民主的に思えるが高市早苗経済安全保障担当相に至っては「罷免するなら仕方ない」とまで啖呵を切ったような発言。岸田さん、先は長くないのじゃーないですか?

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