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余録 米国の「中間選挙の呪い」は…  / 毎日新聞

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米連邦議会=ワシントンで2018年4月9日、高本耕太撮影

毎日新聞  2022/11/9 東京朝刊

 米国の「中間選挙の呪い」は南北戦争以来150年続くというから手ごわいジンクスである。中間選挙での「敗北」を味わわずに任期を終えた大統領はほとんどいないという。戦後の19回中、与党が下院で議席を増やしたのは2回しかない

▲得票率が上昇したのは同時多発テロ後の2002年だけ。大統領選で勝利した党の支持者が満足して投票意欲を失う一方、負けた党の支持者はリベンジに燃えて投票所に足を運ぶという解説がある。経済悪化や失政があれば与党に厳しい目が注がれる

▲今年の中間選挙の投票が始まった。記録的なインフレで野党・共和党の優勢が伝えられる。バイデン大統領もジンクスの洗礼を受けそうな気配である

▲前回大統領選での敗北を認めないトランプ前大統領の存在がいつもと違う。再出馬を視野に自身に追随する共和党候補の応援に飛び回ってきた。親分同様に選挙結果を受け入れるかを明言しない候補が多い

▲自国の選挙制度を信じられないのでは民主主義が成り立たない。連邦議会襲撃事件は米国政治の汚点になった。選挙のたびに混乱が続いては国際的な信頼も損なわれる

アレクシ・ド・トクヴィルの肖像(左)

▲「しばしば唐突な情熱に駆られ、驚くほどの軽はずみを本気でしでかす」。米国流民主主義に好意的だった19世紀の仏思想家、トクビルの米国人評である。一方で復元力が強みだったはずだが、機能するかに疑問が残る。ロシアのウクライナ侵攻で国際秩序が揺らぐ中、同盟国としても心配になる米国の民主主義の行方である。

 下馬評ではトランプ氏が選挙応援に回った共和党が優勢だろうと言われていたが、意外や意外、バイデン氏の民主党が上院の当選者は現在、48人対47人で善戦しているそうだ。米中間選挙 現地報道では“大勢判明には時間がかかる”のだとか。もし、共和党が圧勝して2年後の大統領戦でトランプ氏が再選にでもなれば世界は、またもちゃぶ台返しが始まるんだろうね。

 しかし、ロシア、中国、北朝鮮なんかを見ていれば、このようなシーソーゲームを民主主主義と呼ぶのかな?でも私はバイデン氏の民主党に勝って欲しい。トランプ氏はロシア、中国、北朝鮮の絶対君主に似ている気がする。  

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