余録 　現在の47都道府県の骨格は…　/　毎日新聞

佐賀県有田町　　伊万里焼　色絵花鳥文六角壺（柿右衛門様式）17世紀 東京国立博物館蔵



毎日新聞 2022/10/23　東京朝刊

　現在の47都道府県の骨格は1888（明治21）年、香川県が愛媛県から分かれたことで固まった。以来134年、さきの大戦中に東京が「府」から「都」になるなどの変遷を経たが、基本は変わらない

▲行政だけでなく生活、経済活動などの圏域の単位として定着しているだけに、各種ランキングにひんぱんに使われる。中でも知事たちが気をもむ調査に、民間の「ブランド総合研究所」が毎年公表する「都道府県魅力度ランキング」がある

▲首位は14年連続で北海道と不動なせいか、最下位の方が注目を浴びる。今年は佐賀県だった。山口祥義知事は「特に意識しない」と冷静だったが「佐賀ほど素晴らしいところはない」とも強調した

▲例年下位になりがちな北関東勢はかなり敏感だ。2年前に最下位だった栃木県は福田富一知事が調査会社を訪れ、調査方法見直しを要望した。昨年44位だった群馬県の山本一太知事は「法的措置の検討」に言及した

▲都道府県は「県民感情」という言葉があるほど、国民の意識に浸透している。「単なるイメージ調査」だと割り切りにくい部分もあるのだろう。佐賀県は陶磁器はもちろん、豊かな自然や祭礼の

「唐津くんち」などで知られる。同じ調査会社が住民を対象に行った「幸福度ランキング」は7位だった。

▲都道府県の他にも市町村、江戸時代の旧藩、律令制下の「旧国」など、さまざまな境界が文化を形づくる日本の地方だ。ランキングはむしろ、地域の魅力や多様さを再発見する機会でもある。

　へへへ、ファン投票みたいなものなのかな？「魅力度ランキング」で最下位の佐賀県は、「幸福度ランキング」では7位とは！他都道府県からのイメージとそこに暮らしている人の満足度の違いではないですか。まあ、佐賀県知事の「特に意識しない」という感想が正解でしょう(笑)。しかしこのランキングって日本が、いかに平和で豊かな国なのかの表れな気もしますね。