余録　「古代エジプトには100万を表す記号が…」　/　毎日新聞

新型コロナウイルスのワクチン接種準備が整った注射器＝手塚耕一郎撮影

毎日新聞　 2022/2/9　東京朝刊 625文字

　古代エジプトには100万を表す記号があったという。それは両手を上げてひざまずく人の形だった。さて、エジプト人は何を考えて巨大数をこんな形で表したのだろう（クラムパッカー著「数のはなし」）

　▲ちなみに古代ギリシャでは名前のついた一番大きな数は1万だった。ローマでも10万より大きな数に名前がなく、100万は「10掛ける100掛ける1000」という形で表したという。100万は一つの言葉にできなかったようだ

　▲ミリオン（100万）という言葉を生んだのは14世紀イタリアの銀行家たちで、1000を表すラテン語に接尾辞の「大きい」をつけた「大きな1000」が語源という。英語では長らく巨大数の代名詞となってきた「100万」だ

　▲進まぬ新型コロナワクチンの3回目接種について、前政権に倣（なら）い「1日100万回」の目標を掲げた岸田文雄（きしだ・ふみお）首相である。与党内でも高まる不満に、今まで数値目標を避けてきた首相も「100万」のインパクトに頼るはめになった

　▲思えば3回目接種前倒しの遅れが招いた感染第6波さなかのわずか1桁の接種率である。加えてメーカーの違うワクチンの交差接種へのためらいも接種の遅れを招いている。政府の対応の変転に対し自治体の不満も募っているようだ

　▲ここは首相自らがオミクロン株のリスクとワクチン接種促進への取り組みを国民に直接訴え、理解を求める時ではないか。「100万」はそれを耳にしただけで国民がひざまずき、あがめる魔法の数ではない。
　
　私は昨日3回目のワクチンを接種して熱が出てきました。熱は困るけど、このような接種を受けることができることは、発展途上国のワクチンを受けられない人のことを思う有難いことです。

　でも総理は最悪の状態を想定して、オミクロンに対処すると言っていたような・・・。現在の日本はその最悪の状態を越えていると思うのですけど。

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