Quantcast
Channel: 小父さんから
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4329

特権を問う / 寺島実郎氏「根底に保護領意識ある米国」 中国との対立は危険 地位協定改定し、日本は主権取り戻せ / 毎日新聞

$
0
0
「自国の空に他国の空域があることは、国際社会の常識ではあり得ない」と語る日本総合研究所の寺島実郎会長=東京都千代田区で、内橋寿明撮影
   
 
 毎日新聞2020年(最終更新 10月24日 21時10分) 抜粋 

自国の空に他国の空域、あり得ない話
 アメリカ人と議論すると、彼らがごく自然に、日本を「保護領」と表現することがある。ここに本音がにじみ出ている。日本はいまだ占領地で在日米軍は進駐軍という意識があるということだ。

 たとえば、在日米軍基地の7割は沖縄にあるのに、米軍専用のゴルフ場が首都・東京に二つもある。維持費は日本政府の思いやり予算から出る。不条理極まりない。日本の首都上空の空域を管理下に置き、手放さないのも、この「保護領」という意識が根底にあるからだ。

 自国の空域を自由に使えないことのリスクは大きい。民間機が米軍管理の空域を迂回(うかい)させられ、市街地での低空飛行を強いられる。経済的コストが生じ、事故の可能性すら高める。自分の国の空に他国の空域があることは、国際社会の常識からすればあり得ない話だが、多くの日本人はおかしいと思わない。日米同盟が大事だという考えが長い時をへて強固な固定観念となり、独立した国同士の同盟だという錯覚に陥っている。

 在日米軍が日本を守るためにあると思うのは幸せな誤解だ。日米安保条約は、日本を守るという幻想を与えつつ、中国、韓国にとっては日本軍国主義の復活を抑える「瓶の蓋(ふた)」の役割があると目配せするものになっている。だが実際は、在日米軍はアメリカのアジア・ユーラシア戦略のなかに位置づけられたものだ。

 しかも、基地経費の7割は日本側の負担で、その額は年間6000億円とも7000億円ともいわれる。グアムやハワイに置くよりコストがかからない。実利があるから返却も縮小もするわけがない。アメリカ自身もこのロジックに自縄自縛になっている。

  

 地位協定60年 米国人、日本「保護領」の意識 日本総合研究所会長・寺島実郎さん
 

  
 テレビではこの話を何度か聞いたと思うが、興味のある人は是非読んでいただきたいと思います。奇しくも、米国防長官が防衛費の増額を求めたんだとか。寺島実郎さんの話にはいつも耳をそば立てて聞いている。
  -----------------------------------------------------------------------------------------------
てらしま・じつろう
 1947年生まれ。早大院修了。三井物産戦略研究所会長などを経て現職。多摩大学学長。近著に「日本再生の基軸 平成の晩鐘と令和の本質的課題」(岩波書店)。TBS「サンデーモーニング」などにも出演。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4329

Trending Articles