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私の体はテレビでできている / ついにマスク姿のドラマも / 毎日新聞

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毎日新聞 2020年7月22日 東京夕刊

教授・岡室美奈子の私の体はテレビでできている>

ドラマの登場人物たちはなぜマスクをしないのか――。そんな疑問が巷(ちまた)では結構な話題になっている。コロナ禍での緊急事態宣言が解除されてドラマ制作も再開し、4月開始予定だった連続ドラマもようやく放送されている。とはいえコロナ禍は収束しておらず、東京都内の街を歩く人は100%と言っていいほどマスクを着用。バラエティーでも「マツコ会議」(日本テレビ系)のように出演者たちがマスクをしている場合もある。

 しかし、なぜかドラマの登場人物は、病院のシーンなどを除けば、ほとんどマスクをしていない。フィクションはなにも現実をそっくり再現する必要はないわけで、ドラマを見ている間ぐらいコロナ禍を忘れさせてよと思う人も多いだろう。第一、今期のドラマを彩る木村拓哉や星野源、多部未華子らの顔が半分隠れていたらがっかりだ。マスク姿の堺雅人演じる半沢直樹が「倍返しだ!」と言ってもイマイチ迫力がないだろう。唇の動きで言葉を読み取る聴覚障害の人たちは、マスク着用が常態化して苦労されていると聞くし、マスクが多くの視覚的情報を奪うことは事実である。ドラマにマスクは難しい。

 一方で、この「ドラマでマスクしない」問題は、私たちが、自分たちの生活は早晩、元に戻ると信じていることを示しているとも言える。「新しい生活様式」「新しい日常」などの旗印の下、「ウィズコロナ」の時代を生きろと言われても、総マスク状態はかりそめの姿に過ぎず、いずれはドラマのようにマスクなしの状態に戻るのだと、私たちは思いたいのではないか。

 だとしたら、マスクを着用している現実の方がむしろ“仮の姿”で、マスクをしていないフィクションの方が“真の世界”だということになる。コロナ禍が壮大なフィクションならどんなにいいかと私も思うけれど、この状況が続けば、いずれ逆転する日が来るかもしれない。ドラマはいつまでマスクなしで持ちこたえられるだろうか――と書いていたら、コロナ禍での家族を描き、出演者がマスク姿のNHKドラマの予告編が始まった! =次回は8月19日掲載

 
岡室先生、そうですね!テレビの俳優さんたちならずとも、私たちの日常で知っている人たちが皆マスクをしている状態なのは確かに変です。今ふと昔観た映画 「Vフォー・ヴェンデッタ」ガイ・フォークス・マスクを被った集団(左)を観たことを思い出しました。特徴のないこのようなマスク集団のまま人生を送りたくないですね。有難うございました。

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