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余禄 この時期になると、テレビや舞台に登場するのが忠臣蔵だ…/ 毎日新聞

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「新正堂」の人気の商品「切腹最中(もなか)」 

  

毎日新聞  2019年12月8日 東京朝刊

 この時期になると、テレビや舞台に登場するのが忠臣蔵だ。元禄時代、江戸城で刃傷に及び、切腹となった主君のあだ討ちを果たす赤穂(あこう)四十七士の物語である

▲その赤穂藩主・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の終焉(しゅうえん)の地は現在の東京都港区新橋にあった大名屋敷。敷地に店を構えていたのが、今に続く和菓子の「新正堂」だ。人気の商品がある。「切腹最中(もなか)」という

▲サラリーマンも次々に買っていく。自分のミスで取引先に迷惑をかけ、謝りに行く時の手土産にする。切腹するほどの気持ちを伝えるためである。切腹最中を買うべき政治家は今年も多かった

▲週刊誌の不祥事報道で辞任に追い込まれた経済産業相と法相。大学受験の英語民間試験をめぐる「身の丈」発言で批判を浴びた文部科学相もそうだ。迷惑をかけた多くの国民のことを思えば、最中はいくつあっても足りない。ところで「桜を見る会」を主催した安倍晋三首相は買ったのかどうか……

▲忠臣蔵が今も人気があるのはなぜだろう。損得を顧みず、自己を犠牲にしてでも主君に忠義を尽くす。その姿が時代を超えて心を打つからではないか。主君を国民に置き換えれば、政治家もそうであってほしい

▲この和菓子店には江戸の火消しにちなんだ商品もある。内匠頭の祖父が率いた  「武家火消し」が大活躍したことに由来する。政権もこれ以上、疑惑の火の手が広がらないよう国会を閉じ、年が変わって国民に忘れてもらいたいだろう。だが世間はそんなに甘くはない。切腹最中も甘さ控えめだ。

  
  そうだよね!腹を切る覚悟で迷惑をかけた取引先に出向けば、解決することもあるが、自分(会社)は悪くない、間違っていないと言い訳をたらたらと述べていたら、誰だって怒りだすのが世間の常だ。自分(会社)が犯したミスを謝り、責任を取れば世間は大目にみてくれるものだ!「武家火消し」(官僚の作文)が大活躍するような世の中は、いつまでたってもトカゲのしっぽが切られつづけるいやな世の中だ!♪うまれた時が悪いのか~、それとも俺が悪いのか~♪ 令和になっても「昭和ブルース」が流れているようだ。

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