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大衆音楽月評  ポール 平成も元気いっぱい=専門編集委員・川崎浩 / 毎日新聞

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ポール・マッカートニー=堀田芳香撮影 
  
  イジーさんすみません!今日、ポール・マッカートニーの悪口を書いたところでしたが、今毎日新聞の夕刊を開いたら、いきなり彼が出て来たじゃーありませんか!未だにヒットを出しているんですね。上の写真は日本公演のようですが若さを感じます。ビートルズのドキュメント映像は相当観ましたが、ほとんどの曲が彼とジョン・レノンの競作でポールの才能についてはいくつも見聞きしてきましたね。お詫びに「エジプト・ステーション」アルバムのYouTubeとかを下に付けました。

今私がテレビの音楽番組を、全然観なくなったので大衆音楽を知らない昔人間になってしまったようです。下の歌手で今テレビに写って観るとしたら、加山雄三、沢田研二、八神純子くらいでしょうか。年末恒例の紅白歌合戦も最近は見ていません。

 つい最近、ザルツブルグ音楽祭での歌劇「アイーダ」をテレビで観たところでした(笑)

   
  
大衆音楽月評  ポール 平成も元気いっぱい=専門編集委員・川崎浩

毎日新聞 2018年11月12日 東京夕刊

 平成の終わりを象徴するような充実したコンサートが、めじろ押しの1カ月であった。

 10月半ば、東京・明治座で氷川きよしの長期座長公演。歌手の座長公演が定期的に行われる会場も減ったが、客を呼べる力のある歌手も少なくなった。氷川は貴重なその一人である。スター性や歌唱力は申し分なく、好感度も十分である。ただ、芝居の稽古(けいこ)不足は、本人が舞台で語る通り明らか。もし総合的な表現者としても位置を確立させる気があるなら、念入りな準備を整えたうえで、アウェー会場で鍛え上げていくべきであろう。芸能界のスター環境を想像させる公演であった。

 同17、18日に東京・日本武道館で、50周年の和田アキ子による「ワダフェス」。17日は加山雄三ら「昭和」のベテラン、18日はAKB48ら「平成」の若手を中心としたゲストを多数招いた、ぜいたくな音楽祭である。ポップスを通して時代の変化を浮き彫りにする興味深い内容であった。ちなみに、氷川も17日、明治座公演終了後に駆け付けた。その日、和田と同時期を生きる沢田研二がさいたま公演を中止した。これは「明暗」という話でなく、ともに「昭和のスターが意地を見せている」という中高年には元気の出るニュースではなかろうか。

 10月31日、11月1日とポール・マッカートニーが東京ドーム公演。5日東京・両国国技館、8日には初の名古屋公演も開催。76歳のロックスターは2時間半36曲をほぼ休みなく歌い続けた。新アルバム
Paul McCartney : Egypt Station - 16. Hunt You Down / Naked / C-Link「エジプト・ステーション」も全米1位を獲得し絶好調だが、沢田のように「今」に固執することなく、ビートルズ曲21曲、ウイングス曲7曲を披露した。名曲を持っていることは、きっとポールの誇りなのだろう。「ヘイ・ジュード」を合唱する4万5000人の笑顔は印象深かった。

 11月1日、東京・中野サンプラザで45周年のドラマー、村上“ポンタ”秀一の「音楽境地」コンサート。八神純子、EPO、八代亜紀、吉田美奈子の女性歌手4人に伊勢正三を交え、こちらもぜいたくの極みの「歌」を聴かせた。昭和から歌い続ける超一流の個性派歌手たちを1人のドラマーの腕が貫くという事実に驚くとともに、それぞれの歌の力にも息をのみ圧倒された。

 ふと思うに、ここに挙げた歌手で「紅白」確実なのは氷川くらいである。大衆の耳に「いい音楽」が届く場は、増えているようで実は減ってはいないか。血の通った音楽が存在するのは、もはやライブの場だけなのか。=次回は12月10日掲載  




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