恥ずかしながら菊池寛賞が何たるかは知らないのだけど、 ボブ・ディラン氏がノーベル文学賞を受賞する時代、音楽や詩の世界に文学賞が入って来ても不思議ではないだろう。
小父さんも19歳の頃はギターばかり触ってはいたが、和製フォークソングは♪バラが咲いたに この広い野原いっぱいくらいしか知らない気がする。そうだな、フォークジャンボリーで唄われる歌はテレビには出てこなかったし、荒井由実を知ったのも、中島みゆきを聴いたのも流行のずっと後だったな!でもいろんな方面からの情報によってフォークゲリラソングから中島みゆき氏の歌まで全部聞いた。
ビートルズを何時間も聞いていた高校2年から、ありとあらゆる音楽のつまみ食いはやってきた。オーケストラの生演奏会にも5回くらいは足を運んだと思う。音楽って何だろうね。文学との接点を見つけるのも面白いかも知れないね。
春秋 長髪、ジーンズ、ギターの若者の聖地だったらしい
日本経済新聞 2018/10/13付
「フォークジャンボリー」に行ってきたと自慢する、ませたクラスメートが中学校の教室で大いに注目を浴びたものである。岐阜県中津川市で1971年まで、毎年8月に開かれた大規模な野外コンサートのことだ。長髪、ジーンズ、ギターの若者の聖地だったらしい。
▼記録映像を見るとステージのまわりは騒然として、当時の新宿西口地下広場のフォークゲリラにも似た風景だ。最後の年には、吉田拓郎さんが「人間なんて」を2時間にわたって熱唱したという。胸にたぎるモヤモヤや、世間へのプロテストが曲にこめられていた時代。いま聴いてみればちょっと粗削りな歌も少なくない。
▼そういう空気をがらりと変えたのは松任谷由実さんだろう。気負った自己主張や生活臭を感じさせぬ、オトナの音楽の登場である。70年代半ば、そろそろ成熟しはじめた社会は「中央フリーウェイ」や「ルージュの伝言」の軽やかな物語性にひかれた。ユーミンは以後、バブルを越え世紀をまたいで偶像であり続けている。
ユーミン 荒井由実 中央フリーウェイ
ルージュの伝言 荒井由実 (高音質ver)
▼その人が 菊池寛賞に選ばれたと知り、久しぶりにスマホのなかの曲を聴いてみた。いいね、やっぱり……。と思いつつわがリストを眺めれば、往年のフォークの名曲も並んでいる。中島みゆきさんのアルバムもずらり。みんな違ってみんないいと言ったら、八方美人に過ぎるだろうか。あの級友は、いま何を聴いていよう。
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