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憂楽帳 3代目の心意気 「娘と一緒に近所の駄菓子屋に行くのが楽しみだった」 / 毎日新聞

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  高価なスイーツもいいけど、1個10円とか、当たり砂糖玉なんていいね~。こんな素朴な味がするだろうと思われるものは小父さんの味覚には絶対に合う!(笑)。駄菓子屋さんを見かけなくなって久しい。


   


憂楽帳 3代目の心意気

毎日新聞 2018年10月12日 東京夕刊

 10年ほど前、娘と一緒に近所の駄菓子屋に行くのが楽しみだった。店頭に並ぶガムやチョコレートなど色とりどりの駄菓子。その中でも人気だった「あんこ玉」が自宅近くで作られていると聞き、会社を訪ねた。

 東京都荒川区にある1929年創業の植田製菓。あんこ玉は、生あんときな粉、水あめなどを材料にした駄菓子で、中に白い砂糖玉が入っていると一回り大きなあんこ玉がもらえる。「添加物を一切使わず、材料本来の味を大切にしています」。3代目の植田博実さん(41)はそう説明する。

 会社を継いで18年になるが、取り巻く環境は厳しさを増している。経済産業省によると、駄菓子屋など菓子小売業者は2014年までの20年間で7割減った。会社の売り上げも減少しているが、1個10円の値段は変えていない。多くの人に味わってもらうためだ。

 あんこ玉をもらって口に含むと、やさしい甘さが広がる。植田さんがぽつりとつぶやく。「何も変えないことが大事なんです」。老舗を守る3代目の心意気を感じた。【武内亮】









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