あらすじ
『おもかげ』
忘れなければ、生きていけなかった。
定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。
心揺さぶる、愛と真実の物語。
主人公の竹脇正一は、昭和26(1951)年生まれの65歳。商社マンとして定年を迎えたが、送別会の帰りに地下鉄の車内で倒れ、集中治療室に運びこまれた。
同期入社で今や社長となった堀田憲雄の嘆き、妻・節子や娘婿の大野武志の心配、幼なじみの大工の棟梁・永山徹の思いをよそに、竹脇の意識は戻らない。彼らを見守る看護師・児島直子は、竹脇と通勤電車で20年来の顔なじみでもあった。
一方で、竹脇本人はベッドに横たわる自分の体を横目に、奇妙な体験をする。マダム・ネージュと名乗る老女と食事に行き、静と呼ぶことにした女性と夏の入り江で語らう。集中治療室で隣のベッドにいる患者・榊原勝男とは、銭湯に行き、屋台で酒を飲んだ。
最初は彼女らのことを妻の知り合いだと思っていた竹脇だが、死に至るまでには肉体から解放された不思議な時間を経験するのではないかと考え始める。やがて、竹脇は自らの〈過去〉と思わぬかたちで再会する――。~毎日新聞出版: 小説『おもかげ』から
情けなや、情けなや。このところず~っと活字を開くと眠たくなってしまう。簡単に言うと本が読めない。でも、やっとこさこの本に出会えて読み終えることができた。
主人公の竹脇正一は集中治療室に寝ているはずなんだが、いろんな人とあちこちに出掛ける。それと東京の地下鉄路線が山のように出てくるところは映画にもなった『メトロに乗って』にも似たところがある。浅田次郎さんは生粋の江戸っ子なんでしょう。
上の絵のような世界を行き来するから、タイムトンネルストーリーにも通じるでしょうね。主人公は、両親不明、正確な生年月日も不明で施設の子になり、次に新聞販売店の住み込みから高校、一流大学、一流商社にも勤務するわけだが、自分の出生の秘密すら全く知らなかった。
浅田文学は、本当に多才だ、『ハッピー・リタイアメント』なんて遊びて書いたんじゃーないかと思うものもあれば、『終わらざる夏』上下巻は、千島列島北東端の島で終戦交渉にやって来るであろう米軍を待っていたら中立条約を破棄して上陸してくるソ連軍との理不尽な戦いも描かれている。
本がまったく読めなくなるまでに1冊でも1ページでも余分に活字に接しておきたいものだ。ぐーんと知識も増える。
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『おもかげ』
忘れなければ、生きていけなかった。
定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。
心揺さぶる、愛と真実の物語。
主人公の竹脇正一は、昭和26(1951)年生まれの65歳。商社マンとして定年を迎えたが、送別会の帰りに地下鉄の車内で倒れ、集中治療室に運びこまれた。
同期入社で今や社長となった堀田憲雄の嘆き、妻・節子や娘婿の大野武志の心配、幼なじみの大工の棟梁・永山徹の思いをよそに、竹脇の意識は戻らない。彼らを見守る看護師・児島直子は、竹脇と通勤電車で20年来の顔なじみでもあった。
一方で、竹脇本人はベッドに横たわる自分の体を横目に、奇妙な体験をする。マダム・ネージュと名乗る老女と食事に行き、静と呼ぶことにした女性と夏の入り江で語らう。集中治療室で隣のベッドにいる患者・榊原勝男とは、銭湯に行き、屋台で酒を飲んだ。
最初は彼女らのことを妻の知り合いだと思っていた竹脇だが、死に至るまでには肉体から解放された不思議な時間を経験するのではないかと考え始める。やがて、竹脇は自らの〈過去〉と思わぬかたちで再会する――。~毎日新聞出版: 小説『おもかげ』から
情けなや、情けなや。このところず~っと活字を開くと眠たくなってしまう。簡単に言うと本が読めない。でも、やっとこさこの本に出会えて読み終えることができた。
主人公の竹脇正一は集中治療室に寝ているはずなんだが、いろんな人とあちこちに出掛ける。それと東京の地下鉄路線が山のように出てくるところは映画にもなった『メトロに乗って』にも似たところがある。浅田次郎さんは生粋の江戸っ子なんでしょう。
上の絵のような世界を行き来するから、タイムトンネルストーリーにも通じるでしょうね。主人公は、両親不明、正確な生年月日も不明で施設の子になり、次に新聞販売店の住み込みから高校、一流大学、一流商社にも勤務するわけだが、自分の出生の秘密すら全く知らなかった。
浅田文学は、本当に多才だ、『ハッピー・リタイアメント』なんて遊びて書いたんじゃーないかと思うものもあれば、『終わらざる夏』上下巻は、千島列島北東端の島で終戦交渉にやって来るであろう米軍を待っていたら中立条約を破棄して上陸してくるソ連軍との理不尽な戦いも描かれている。
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