両手を大きく広げ、会場を埋めたファンにお別れをする山口百恵さん=1980年10月5日
百恵ちゃんは大したものだね~!59歳だったら百恵さんかな?21歳での引退だったのか!下の記事を読んでいたらまるで生きた伝説の人だね。なんだかビートルズのジョン・レノンなんかを思い出した。
おまけに、その生き方がNHKクローズアップ現代+でも紹介された「君たちはどう生きるか」と対比されている!(下にリンク済)。時々目にする芸能記事では、やはり息子二人の売れ行きを心配している普通のお母さんらしいけど、芸能界の復帰は絶対にないみたい。
いやいや、彼女の真似が出来る芸能人はもう出てこないだろうね。作詞家の阿木燿子さん、作曲家の宇崎竜童さん夫妻も彼女の現役時代も、近年いっしょに食事した様子を感心しきっていたね。現代っ子は百恵さんのことをどんどん神秘化していくだろう。
毎日新聞 2018年1月29日 東京夕刊
平成の終わりを意識する昨今、昭和を代表する伝説のアイドル、山口百恵さん(59)が再注目されているという。その中心は若者たちで、当時のヒット曲をカラオケで歌い、憧れの人は「百恵ちゃん」と語る。リアルタイムでの活躍を知らない世代からの人気ぶりは、何を意味しているのだろうか。【鈴木梢】
一つの幸せ選択、若者共感
一心不乱にドラムをたたき、カバー曲として歌うのは「ロックンロール・ウィドウ」。作詞家の阿木燿子さん、作曲家の宇崎竜童さんが百恵さんに作ったこの名曲は、<男はあなた一人じゃない>の捨てぜりふが耳に突き刺さる。歌手でドラマーのシシド・カフカさん(32)にとって、百恵さんは音楽家としてのアイデンティティーの一部になっているという。
シシド・カフカ / ロックンロール・ウィドウ / カヴァー
百恵さんの引退から5年後の1985年に生まれた。黒い服を好むため、チェコ語でカラスを意味する「カフカ」の芸名が付いた。取材で会うと、黒髪を50センチ切ったショートヘアに潔さ、太い眉に強い意思を感じる。好きな色は「黒」と答えた昭和のアイドルを、自らの理想像としているのか。
「決断の仕方がかっこいい」と語るシシド・カフカさん=根岸基弘撮影
「歌声や表現力に衝撃を受けました。ステージに立つ姿がかっこいいだけでなく、彼女の強い内面がにじみ出ている。女性としての総合力で、とてもかなわないと思いました」
心を落ち着けたい時、百恵さんのアルバムを手に取る。現役最後の曲「さよならの向う側」と、引退後に百恵さん自らが作詞して発表した「一恵」をよく流す。「調べがなぎのように響き、自分を取り戻せるんです。百恵さんは芸能界の波にのまれながらも、大スターとして名前を守り、自分自身を見失わなかった。そして、最後には女として生きる決断をした。自分の人生は自分で決めていく。若い人たちは恐らく、その強さに憧れるのではないでしょうか」。彼女が時代に流されることはなかった。
百恵さんは59年生まれ。テレビのオーディション番組「スター誕生!」を経て、73年に14歳でデビューした。活動はわずか7年間。人気絶頂の21歳の時、俳優の三浦友和さんと結婚し、惜しまれつつ引退した。
引退の年に出版された自叙伝「蒼(あお)い時」は346万部を超え、読み継がれている。父への拒絶感、喝采の裏にある孤独、未来の夫への愛情--。アイドルであれば明かさないはずの身の上や心境を、赤裸々につづった。
「あの本を読んで、彼女は絶対に復帰しないと悟った」。そう振り返るのは、アイドル評論家の中森明夫さん(58)。「昨年から、平成生まれの20代がよく百恵ちゃんの曲をカラオケで歌うようになりました。そこには時代的な意味がある。経済も就職も冬の時代が続き、女性の間に家庭志向が強くなったように思う。百恵さんは結婚後、幸せな生活を送っているように見えるから、理想の女性像として神格化されるわけです」と解説する。
中森さんは、アイドルは時代を先取りする存在と定義する。「憂いのある百恵さんがデビューして以降、オイルショックによる経済混乱がピークを迎える。明るい松田聖子さんがトップアイドルになり、時代はバブルの熱狂に向かう。百恵さん人気の再来も、日本の未来像を映し出しているはずです」
百恵さんが引退した80年、入れ替わるようにデビューしたのが聖子さんだった。心理学者の小倉千加子さん(65)は著書「松田聖子論」で、2人の比較論を展開した。自己を犠牲にすることなく仕事、結婚、子育てと幾つもの幸せを求める聖子さんとは対照的に、百恵さんを女性として一つの幸せを選んだ存在と位置付けた。出版されたのは平成が幕を開けた89年。それから約30年がたち、小倉さんの目に2人の生き方はどう映るのか。
「聖子さん的な生き方はもう古いんです。80年代は、頑張れば欲しいものが手に入った時代。でも今は、頑張っても一つのものを守ることさえ難しい。仕事と家庭を両立させることに、多くの女性は疲弊しきっています。百恵さんは21歳という若さで名声を捨て、決して芸能界に戻って来ない。彼女が選んだ道は間違っていなかったと証明しているかのようで、若い世代にはそこそこ幸福に見える」
昨年は、長男である三浦祐太朗さん(33)が百恵さんのカバーアルバムを発表。母の名曲を歌い継いでいることで話題を呼んだ。百恵さんは趣味のキルト作品を発表することで、平穏な生活ぶりをうかがわせる。ただ、表舞台に立つことはない。
三浦 祐太朗「プレイバックpart 2(スタジオLIVE ver.)」
ファンの20代、30代に取材すると、百恵さんの復帰を願う声はなかった。「ミス日本コンテスト2018」でグランプリに輝いた名古屋市の会社員、市橋礼衣さん(23)もその一人。「女性としての生き方を百恵さんから学んだ。彼女の一番輝いている時を胸に刻んで、私たちは生きていく。百恵さんは生きる伝説なんです」。憧れの対象としているのは、同性だけではない。29歳の男性は「百恵ちゃんはずっと、あのころの百恵ちゃんだからいい。芯の強さ、潔さ、神秘性。永遠のアイドルです」。
2018ミス日本・市橋礼衣さん=根岸基弘撮影
80年に東京・日本武道館であった引退コンサートは、歌謡史に残る名場面となっている。百恵さんは全曲を歌い終わった後、白いマイクを置いてステージを去った。人気グループのAKB48を昨年卒業した「まゆゆ」と呼ばれる渡辺麻友さん(23)が見せたマイクを置く演出は、百恵さんへのオマージュに違いない。
小倉さんは言う。「日本の芸能文化の世界では、引退したら消えゆくことが優美だと捉えられます。だから百恵さんは、別れの美学を体現したとも言える。それが『幽玄』というもので、極めて日本的な理念です」
ファンたちは武道館の舞台に、盛りの桜が散りゆく姿を重ね合わせているように思えてくる。
何が大切なのかを知る
漫画版 「君たちはどう生きるか」が135万部のベストセラーになっている。原作は、児童文学者の吉野源三郎さんが約80年前に記した哲学書。戦争に突入する緊迫感の中で、自分はどう生きたらよいか、アイデンティティーは何なのかを問い掛けた。社会学者でアイドル文化に詳しい太田省一さん(57)は、この名著と百恵さんの再評価を重ね合わせる。
太田さんはその背景をこう分析する。「社会保障など戦後日本が作った安心を保証するはずの仕組みが崩れ始め、社会をあまり信じられなくなった。終身雇用で安泰だった昭和とは違う。若者にとっては漠然とした不安がリミットに達し、改めて個人としてどう生きるかが問われる時代になっている」
そこで再発見されたのが、百恵さんだという。「結婚して家庭に入るわけですが、それも自らの意思による選択。仮に結婚せず、仕事に生きたとしても、それはそれで百恵さんらしい。大切なのは、いかに自分で生き方を選ぶか。その感じが今の若者にとってはリアルで、百恵さんは、完璧な一つのお手本になっている」
百恵さんは自叙伝にこう書き残している。<女にとっての自立を私は、こう考える。生きている中で、何が大切なのかをよく知っている女性。それが仕事であっても、家庭であっても、恋人であってもいいと思う>
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百恵ちゃんは大したものだね~!59歳だったら百恵さんかな?21歳での引退だったのか!下の記事を読んでいたらまるで生きた伝説の人だね。なんだかビートルズのジョン・レノンなんかを思い出した。
おまけに、その生き方がNHKクローズアップ現代+でも紹介された「君たちはどう生きるか」と対比されている!(下にリンク済)。時々目にする芸能記事では、やはり息子二人の売れ行きを心配している普通のお母さんらしいけど、芸能界の復帰は絶対にないみたい。
いやいや、彼女の真似が出来る芸能人はもう出てこないだろうね。作詞家の阿木燿子さん、作曲家の宇崎竜童さん夫妻も彼女の現役時代も、近年いっしょに食事した様子を感心しきっていたね。現代っ子は百恵さんのことをどんどん神秘化していくだろう。
毎日新聞 2018年1月29日 東京夕刊
平成の終わりを意識する昨今、昭和を代表する伝説のアイドル、山口百恵さん(59)が再注目されているという。その中心は若者たちで、当時のヒット曲をカラオケで歌い、憧れの人は「百恵ちゃん」と語る。リアルタイムでの活躍を知らない世代からの人気ぶりは、何を意味しているのだろうか。【鈴木梢】
一つの幸せ選択、若者共感
一心不乱にドラムをたたき、カバー曲として歌うのは「ロックンロール・ウィドウ」。作詞家の阿木燿子さん、作曲家の宇崎竜童さんが百恵さんに作ったこの名曲は、<男はあなた一人じゃない>の捨てぜりふが耳に突き刺さる。歌手でドラマーのシシド・カフカさん(32)にとって、百恵さんは音楽家としてのアイデンティティーの一部になっているという。
シシド・カフカ / ロックンロール・ウィドウ / カヴァー
百恵さんの引退から5年後の1985年に生まれた。黒い服を好むため、チェコ語でカラスを意味する「カフカ」の芸名が付いた。取材で会うと、黒髪を50センチ切ったショートヘアに潔さ、太い眉に強い意思を感じる。好きな色は「黒」と答えた昭和のアイドルを、自らの理想像としているのか。
「決断の仕方がかっこいい」と語るシシド・カフカさん=根岸基弘撮影
「歌声や表現力に衝撃を受けました。ステージに立つ姿がかっこいいだけでなく、彼女の強い内面がにじみ出ている。女性としての総合力で、とてもかなわないと思いました」
心を落ち着けたい時、百恵さんのアルバムを手に取る。現役最後の曲「さよならの向う側」と、引退後に百恵さん自らが作詞して発表した「一恵」をよく流す。「調べがなぎのように響き、自分を取り戻せるんです。百恵さんは芸能界の波にのまれながらも、大スターとして名前を守り、自分自身を見失わなかった。そして、最後には女として生きる決断をした。自分の人生は自分で決めていく。若い人たちは恐らく、その強さに憧れるのではないでしょうか」。彼女が時代に流されることはなかった。
百恵さんは59年生まれ。テレビのオーディション番組「スター誕生!」を経て、73年に14歳でデビューした。活動はわずか7年間。人気絶頂の21歳の時、俳優の三浦友和さんと結婚し、惜しまれつつ引退した。
引退の年に出版された自叙伝「蒼(あお)い時」は346万部を超え、読み継がれている。父への拒絶感、喝采の裏にある孤独、未来の夫への愛情--。アイドルであれば明かさないはずの身の上や心境を、赤裸々につづった。
「あの本を読んで、彼女は絶対に復帰しないと悟った」。そう振り返るのは、アイドル評論家の中森明夫さん(58)。「昨年から、平成生まれの20代がよく百恵ちゃんの曲をカラオケで歌うようになりました。そこには時代的な意味がある。経済も就職も冬の時代が続き、女性の間に家庭志向が強くなったように思う。百恵さんは結婚後、幸せな生活を送っているように見えるから、理想の女性像として神格化されるわけです」と解説する。
中森さんは、アイドルは時代を先取りする存在と定義する。「憂いのある百恵さんがデビューして以降、オイルショックによる経済混乱がピークを迎える。明るい松田聖子さんがトップアイドルになり、時代はバブルの熱狂に向かう。百恵さん人気の再来も、日本の未来像を映し出しているはずです」
百恵さんが引退した80年、入れ替わるようにデビューしたのが聖子さんだった。心理学者の小倉千加子さん(65)は著書「松田聖子論」で、2人の比較論を展開した。自己を犠牲にすることなく仕事、結婚、子育てと幾つもの幸せを求める聖子さんとは対照的に、百恵さんを女性として一つの幸せを選んだ存在と位置付けた。出版されたのは平成が幕を開けた89年。それから約30年がたち、小倉さんの目に2人の生き方はどう映るのか。
「聖子さん的な生き方はもう古いんです。80年代は、頑張れば欲しいものが手に入った時代。でも今は、頑張っても一つのものを守ることさえ難しい。仕事と家庭を両立させることに、多くの女性は疲弊しきっています。百恵さんは21歳という若さで名声を捨て、決して芸能界に戻って来ない。彼女が選んだ道は間違っていなかったと証明しているかのようで、若い世代にはそこそこ幸福に見える」
昨年は、長男である三浦祐太朗さん(33)が百恵さんのカバーアルバムを発表。母の名曲を歌い継いでいることで話題を呼んだ。百恵さんは趣味のキルト作品を発表することで、平穏な生活ぶりをうかがわせる。ただ、表舞台に立つことはない。
三浦 祐太朗「プレイバックpart 2(スタジオLIVE ver.)」
ファンの20代、30代に取材すると、百恵さんの復帰を願う声はなかった。「ミス日本コンテスト2018」でグランプリに輝いた名古屋市の会社員、市橋礼衣さん(23)もその一人。「女性としての生き方を百恵さんから学んだ。彼女の一番輝いている時を胸に刻んで、私たちは生きていく。百恵さんは生きる伝説なんです」。憧れの対象としているのは、同性だけではない。29歳の男性は「百恵ちゃんはずっと、あのころの百恵ちゃんだからいい。芯の強さ、潔さ、神秘性。永遠のアイドルです」。
2018ミス日本・市橋礼衣さん=根岸基弘撮影
80年に東京・日本武道館であった引退コンサートは、歌謡史に残る名場面となっている。百恵さんは全曲を歌い終わった後、白いマイクを置いてステージを去った。人気グループのAKB48を昨年卒業した「まゆゆ」と呼ばれる渡辺麻友さん(23)が見せたマイクを置く演出は、百恵さんへのオマージュに違いない。
小倉さんは言う。「日本の芸能文化の世界では、引退したら消えゆくことが優美だと捉えられます。だから百恵さんは、別れの美学を体現したとも言える。それが『幽玄』というもので、極めて日本的な理念です」
ファンたちは武道館の舞台に、盛りの桜が散りゆく姿を重ね合わせているように思えてくる。
何が大切なのかを知る
漫画版 「君たちはどう生きるか」が135万部のベストセラーになっている。原作は、児童文学者の吉野源三郎さんが約80年前に記した哲学書。戦争に突入する緊迫感の中で、自分はどう生きたらよいか、アイデンティティーは何なのかを問い掛けた。社会学者でアイドル文化に詳しい太田省一さん(57)は、この名著と百恵さんの再評価を重ね合わせる。
太田さんはその背景をこう分析する。「社会保障など戦後日本が作った安心を保証するはずの仕組みが崩れ始め、社会をあまり信じられなくなった。終身雇用で安泰だった昭和とは違う。若者にとっては漠然とした不安がリミットに達し、改めて個人としてどう生きるかが問われる時代になっている」
そこで再発見されたのが、百恵さんだという。「結婚して家庭に入るわけですが、それも自らの意思による選択。仮に結婚せず、仕事に生きたとしても、それはそれで百恵さんらしい。大切なのは、いかに自分で生き方を選ぶか。その感じが今の若者にとってはリアルで、百恵さんは、完璧な一つのお手本になっている」
百恵さんは自叙伝にこう書き残している。<女にとっての自立を私は、こう考える。生きている中で、何が大切なのかをよく知っている女性。それが仕事であっても、家庭であっても、恋人であってもいいと思う>
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