「オヤジ国憲法でいこう!」
毎日新聞 2015年11月21日 東京朝刊
ここ10年来、職場のポスト、処遇に不満でなりません。同期どころか後輩にも抜かれて自身が惨めでなりません。組織のために泥をかぶったことや損な役回りを黙って受けてきたこともありました。職場の同僚など誰にも胸の内は口外していません。誰のせいでもないと諦めようとするものの、失望感や組織への不信感がつのります。毎日の気持ちの持ち方をお聞きします。(50代・男性)
********************************************************************************************
漫画家の しりあがり寿さん と装丁家の祖父江慎さんは、共著「オヤジ国憲法でいこう!」の中で、「友だちはいらない」と喝破しています。みんなが、友だちが大事、といい、自分もそう思ってきたけど、大学の時将来は一緒に仕事をやろうと誓い合ってきた「親友」さえ、卒業したら一回も会っていない……。大学での人間関係なんて、卒業してしまえばなくなる、もろいもの。会社の場合も同じ、いやもっと冷たいものなのかも。
父はいくつも会社を替わりました。そして、父が亡くなったとき、葬式には、父が所属した会社の関係者はひとりも現れませんでした。ひとりも、です。
上野千鶴子さんは、男は、人間関係の作り方がほんとうに下手だ、と書いています。会社を辞めると、同時に「社縁」に頼っていた人間関係もほぼ完全に切れてしまう。そこから先の人生に、会社で培った(と思いこんでいた)人間関係はなんの役にもたたないことが多い。仮に、ポストや処遇に満足していたとしても、会社を辞めたら、「無関係の人」。違いますか? 仕事を嫌いでないのなら、晴れ晴れとした気持で仕事をなさってはどうでしょう。どんな処遇をされても、結局は、ぜんぶ「置いて出てゆく」しかないものなんだから。その代わり、これからの人生に「持ってゆける」人々との縁を作ることを考えるべきなのかもしれません。それは、会社という場所でなくっても構わないのです。(作家)
人生経験豊かな 高橋源一郎さんに、悩みごとを相談してみませんか。郵便は下記の毎日新聞くらしナビ「人生相談」係へ。メールも件名を「人生相談」として下記へ。電話番号など連絡先も記入してください。
【毎日新聞ニュースサイトのトップページへ】
うんうん、相談者が書かれているようにサラリーマンを続けている以上、そのような悲哀は付きまとうでしょうね。だって採点する人は神様でもコンピューターでもない普通の人間なんですから・・・。
高橋源一郎さんの「会社の場合も同じ、いやもっと冷たいものなのかも」と「どんな処遇をされても、結局は、ぜんぶ『置いて出てゆく』しかないものなんだから」って当たっていると思いますね、
毎日新聞 2015年11月21日 東京朝刊
ここ10年来、職場のポスト、処遇に不満でなりません。同期どころか後輩にも抜かれて自身が惨めでなりません。組織のために泥をかぶったことや損な役回りを黙って受けてきたこともありました。職場の同僚など誰にも胸の内は口外していません。誰のせいでもないと諦めようとするものの、失望感や組織への不信感がつのります。毎日の気持ちの持ち方をお聞きします。(50代・男性)
********************************************************************************************
漫画家の しりあがり寿さん と装丁家の祖父江慎さんは、共著「オヤジ国憲法でいこう!」の中で、「友だちはいらない」と喝破しています。みんなが、友だちが大事、といい、自分もそう思ってきたけど、大学の時将来は一緒に仕事をやろうと誓い合ってきた「親友」さえ、卒業したら一回も会っていない……。大学での人間関係なんて、卒業してしまえばなくなる、もろいもの。会社の場合も同じ、いやもっと冷たいものなのかも。
父はいくつも会社を替わりました。そして、父が亡くなったとき、葬式には、父が所属した会社の関係者はひとりも現れませんでした。ひとりも、です。
上野千鶴子さんは、男は、人間関係の作り方がほんとうに下手だ、と書いています。会社を辞めると、同時に「社縁」に頼っていた人間関係もほぼ完全に切れてしまう。そこから先の人生に、会社で培った(と思いこんでいた)人間関係はなんの役にもたたないことが多い。仮に、ポストや処遇に満足していたとしても、会社を辞めたら、「無関係の人」。違いますか? 仕事を嫌いでないのなら、晴れ晴れとした気持で仕事をなさってはどうでしょう。どんな処遇をされても、結局は、ぜんぶ「置いて出てゆく」しかないものなんだから。その代わり、これからの人生に「持ってゆける」人々との縁を作ることを考えるべきなのかもしれません。それは、会社という場所でなくっても構わないのです。(作家)
人生経験豊かな 高橋源一郎さんに、悩みごとを相談してみませんか。郵便は下記の毎日新聞くらしナビ「人生相談」係へ。メールも件名を「人生相談」として下記へ。電話番号など連絡先も記入してください。
【毎日新聞ニュースサイトのトップページへ】
うんうん、相談者が書かれているようにサラリーマンを続けている以上、そのような悲哀は付きまとうでしょうね。だって採点する人は神様でもコンピューターでもない普通の人間なんですから・・・。
高橋源一郎さんの「会社の場合も同じ、いやもっと冷たいものなのかも」と「どんな処遇をされても、結局は、ぜんぶ『置いて出てゆく』しかないものなんだから」って当たっていると思いますね、