憂楽帳：せんせい（泉聖）/　温泉に利益は関係ない　/　毎日新聞

写真は全国プレミアム付き宿泊券ナビからお借りした　　　　　　　　　　
　うひゃー、別府温泉でのぼせてしまいそう！別府の温泉は枯れないんだな～。そう言えば別府で医者をしていた年長の従兄の家にリュックを担いで腹ペコペコで夜、突然転がりこんだことがある。高校1年が終わった春休みだったな～。「〇〇君、お風呂に先に入る、夕ご飯のちらし寿司を先にする？」と聞かれて、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。「どうしたの？」と聞かれて「米や料理材料は持っているんですが朝からずっと何も食べていません」と答えたものだ。

　その家が官舎で風呂に温泉の管が引き込まれていて24時間流ていた。その温泉に入ったら天にも昇る気持ちだった。悪いこと、無謀なことばかりしていたな～。

　　
憂楽帳：せんせい

毎日新聞　2015年11月17日　東京夕刊

　温泉の源泉数・湧出（ゆうしゅつ）量全国一の大分県別府市に、温泉８８カ所を巡ると名人に認定されるスタンプラリーがある。私も大分勤務だった今年１月に５０３３代名人となり、黒帯ならぬ黒タオル（下）をいただいた。

　　　　　　

　さらに、８８カ所１１巡で永世名人、２２巡で名誉名人などと続く。その最高峰に立つのが東京都東大和市の指原（さしはら）勇さん（６７）。５月１５日に８８巡し、最高位「泉聖」に初めてたどり着いた。

　　　　　　

　もう数を稼ぐ必要はない。だが、人とのつながりが生まれてボランティアなどに忙しく、別府市の実家に１カ月、妻のいる東京の自宅には１週間程度という生活を続けている。

　約５年半での８８×８８＝７７４４湯から得たのは「生きる自信と充実感」。でも、電話工事会社で海外事業をいくつも手掛けてきた。仕事こそ自信や充実感の源だったのでは？

　「仕事にはノルマがあり、利益も求められます。励みになりますが、強いプレッシャーでもありました」。温泉に利益は関係ない。健康診断の結果は今の方が良いそうだ。【鈴木直】
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