余録:京都の清水寺で毎年12月に発表される「今年の…
毎日新聞 2014年12月29日 01時23分(最終更新 12月29日 01時25分)
京都の清水寺で毎年12月に発表される「今年の漢字」は師走の風物詩だ。日本漢字能力検定協会の主催で始まったのが1995年。20回目の今年は「税」だったが、1字で世相を表す日本発のイベントは他の漢字文化圏にも広がっている
▲中国では2006年から始まり、今年は「法」 が選出された。共産党中央委員会総会で法治国家建設が最重要課題となったことを反映しているが、いかにも「官製」的だ。ネット上には魑魅魍魎(ちみもうりょう)のような腐敗官僚の横行に「腐」「妖」を推す声もあった
▲台湾は08年からで今年は「黒」だった。黒には「黒社会」(暴力団)や「黒市」(闇<やみ>市)など汚れたイメージがある。3月、立法院(国会)を占拠した学生らは中台のサービス貿易協定が「黒箱」(密室)で作られたと批判。違法な原料で作られた食用油「黒心油」も大きな社会問題になった
▲漢字を使う中国系人口の割合が高いシンガポールとマレーシアでも11年から選出している。シンガポールは「乱」 。タイのクーデター、台湾や香港の学生運動、ウクライナ紛争など国際的な混乱を反映したようだ。主催者は「我々のような小国は外部の変動の影響を受けやすい」と説明する
▲お隣のマレーシアは 「航」 。3月にクアラルンプールから離陸後まもなく失踪、7月にはウクライナで墜落と、相次いで悲劇に見舞われたマレーシア航空機のことを指すことは言うまでもない
▲日本発の文化の広がりは歓迎すべきことだが、各地で選出された字を並べると、残念ながら明るいイメージの字は一つもない。来年こそは各地で希望の持てる漢字が選出されますように。
そうだね。「幸」とか「運」とか「祝」とか「祭」なんて年にはならないのかね。小父さん的には今年も「楽」くらいが当てはまりそうだ。年をとるに連れ楽しさが増えて行っているみたい!ほんとかな?(笑)