余録:野生動物と電車の衝突事故が各地で急増している…
毎日新聞 2014年12月23日 00時11分
野生動物と電車の衝突事故が各地で急増している。京都府や兵庫県北部の線路が多いJR西日本福知山(ふくちやま)支社の管内では年間1000件前後の衝突事故が起きているという。10年前の3倍近い件数である
▲ダイヤに影響が出る事故のほとんどはシカだ。東北や北陸を除く全国各地におり、線路が走っている近くの低山間地や里山に生息している。大きなものは体重100キロ以上もあるため、ぶつかれば車体も傷つき、復旧に時間がかかる
▲オオカミの尿の臭いがする袋をつるしたり、ライオンのふんをまいたりして線路に寄せ付けない。シカが嫌がる周波数の出る笛を車体に付けて走る。反射板を立て電車が近づいたことをシカに気づかせる。鉄道各社はさまざまな策を講じているが、決め手は見つからない
▲線路沿いに侵入防止のフェンスを張りめぐらせばいいが、費用がかかる。踏切など物理的に不可能な場所もある。特急の車両の先頭部分に大型スポンジゴムをバンパーのように設置する試みもある。シカが衝突しても線路外にはじき飛ばせば、互いに傷が少なくてすむというのだ
▲シカは繁殖力が強く、暖冬で雪が少ないことで生存率が高まっているといわれる。一方、各地の猟友会は高齢化が進み、狩猟免許を持つ人が減っている。天敵だったオオカミはとうに絶滅し、人間も姿を消しつつあることがシカの大増殖をもたらしているのだ
▲猟師の育成やシカ肉料理の普及、新しい里山作りなどの活動をする若者たちのNPOもある。シカと共存するための小さな取り組みではあるが、地方再生の地道な努力こそが鉄道事故を減らすことにつながる。
姫路の奥の新宮の建設場に通っていた時、たぶん雪の日ではなかったか、車と衝突して?道路脇に死んでいる鹿を見てぎょっとしたものだ。鉄道にもそんなに影響があったとは・・・。
奈良の鹿や岡山県備前市の瀬戸内海の鹿久居島などの野生の鹿は可愛いもので幸せに生息しているが、人里にえさを求めにくると人間社会から追い出されてしまうんだね。そうそう、今夏に登った乗鞍岳の頂上近くでも「鹿を見かけたらお知らせ下さい」という看板が立っていた。てっきり鹿を保護する為の情報かと思っていたら、鹿に高山植物が荒らされないようにする為の情報収集だった。
鹿との共存も難しい時代なんだね!