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映画 『ふしぎな岬の物語』(英題:Cape Nostalgia )

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キャスト
柏木悦子 - 吉永小百合、柏木浩司 - 阿部寛、竜崎みどり - 竹内結子、タニさん - 笑福亭鶴瓶、竜崎徳三郎 - 笹野高史、柴本恵利 - 小池栄子、柴本孝夫 - 春風亭昇太、大沢克彦 - 井浦新、行吉先生 - 吉幾三、ドロボー - 片岡亀蔵、鳴海 - 中原丈雄、雲海 - 石橋蓮司、冨田 - 米倉斉加年、山本 - 近藤公園、中山健 - 矢野聖人、三平 - 矢柴俊博、佐藤 - 不破万作、消防団長 - モロ師岡、高橋 - 嶋田久作


ブラザーズ5- 杉田二郎、堀内孝雄、ばんばひろふみ、高山巌、因幡晃

スタッフ
監督 - 成島出、脚本 - 加藤正人、安倍照雄、企画 - 成島出、吉永小百合、原作 - 森沢明夫 『虹の岬の喫茶店』(幻冬舎文庫)、題字デザイン - 和田誠、衣装デザイン - 鳥居ユキ、撮影監督 - 長沼六男、音楽 - 安川午朗
メインテーマ - 村治佳織 「望郷〜ふしぎな岬の物語〜」、劇中歌 - ブラザーズ5 「入っておいで この里に」



  

「ふしぎな岬の物語」プロデュース初挑戦の吉永小百合と、彼女を愛し支える共演者たちの心が物語に昇華

 吉永小百合が企画に名を連ね、初めてプロデュースに挑んだ。ここに女優として映画に懸ける情念が集約されている。現在の日本映画界では、女優は年齢を重ねるにつれて演じる役どころが制限されていく。デビュー以来、主演女優として第一線を走り続けてきた吉永とて例外ではない。ならば自らの力で切り開きたい。そんな思いが、小説「虹の岬の喫茶店」との出合いを引き寄せたのではないか。

 心温まるささやかなエピソードが連なる原作の一部を導入に、小さな村で喫茶店を営む悦子の心象風景を軸にした人間ドラマとして脚色。早くに夫を亡くした彼女が求めるのは心の安寧。一方で、常に抱えている孤独への恐怖を和らげてくれるのは、おいの浩司、30年来の常連客・タニさん、東京から戻ってくる漁師の娘・みどりら純朴な村の人々だ。

 使命、慕情、あこがれ。それぞれが悦子に向ける愛の形はさまざまだが、これはそのまま阿部寛、笑福亭鶴瓶、竹内結子ら共演者が吉永に注いだ思いと重なる。現場を共有できる喜びとともに、製作サイドとしても奮闘する座長をもり立てようという強い意志が伝わり、個々の心と心のつながりが絶妙なアンサンブルに昇華されていく。

 時には大切な人との別れと向き合わねばならないが、人は決して独りではない、支え合い寄り添いながら生きているということを、あらためて喚起させる。当然、その中心にいるのは吉永で、包み込むような笑顔は大女優に失礼かもしれないが実にかわいらしい。

 同じく吉永を敬愛する成島出監督も、雄大な海やのどかな田園風景に囲まれ、不器用だが懸命に今を生きようとする人々の心模様を丹念に切り取っていく。この日本人の慎ましい姿が、モントリオール世界映画祭での審査員特別賞グランプリという評価につながったのだろう。

 流れはできた。これが日本で多くの観客に受け入れられてこそ、プロデューサーを兼ねた映画女優・吉永小百合の宿願が結実する時である。(鈴木元)映画.com


   

 吉永小百合さん(69歳)の集大成なのかな。名前はわからねど、知ってる俳優さんの顔が次から次に出てくるわ、出てくるわ!これも吉永小百合さんのお人柄なのか、ネームバリューで集まってきたのか!?

 映画全体を捉えることが出来ないのだが、柏木悦子役の吉永小百合さんの田舎の素朴な喫茶店でのシーンが何度も出てくるのをぼんやり観ていたら、あたかも舞台劇のような印象を持った。ストリーは全く違うのだがイングリッド・バーグマンの 『ガス燈』(Gaslight 1944年 米)やヴィヴィアン・リーの 『欲望という名の電車』(A Streetcar Named Desire 1951年 米)を思い出していた。

 岬の映画だけにとても綺麗な海があり、船も虹も出て来る。竹内結子さんが泣き叫ぶシーンには見とれてしまった。小父さん的にはこの映画は詩のように思えた。  

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