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土記  /  総裁選ガチャ=伊藤智永 / 毎日新聞

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自民党総裁選の共同記者会見を前に、記念写真に納まる(左から)高市早苗経済安保担当相、小林鷹之前経済安保担当相、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長、茂木敏充幹事長=東京都千代田区の同党本部で13日(代表撮影)


毎日新聞 2024/9/28 東京朝刊 有料記事

 <do-ki>

 100円玉を入れてレバーを回すと、卵形の半透明カプセルに入ったおもちゃが出てくるガチャ。正式名称はあっても、大げさな音とともに、何が出るか開けるまで分からないドキドキ感、それなりに精巧な中身の意外感から、もっぱらガチャの呼び名で人気だ。

 9人が実質1カ月近く競った自民党総裁選は、まるでガチャだった。事実上の次期首相を選ぶのに、有効投票約70万人の党員・党友以外、圧倒的多数の国民はカプセルが出てくるのを待つだけ。選択肢は多いが、どれもあまり変わらないように見える。出てきたら、当分やり直しはきかない。

 格差の固定化を巡り、子供は親を選べないことを「親ガチャ」とヤユする流行語があった。それにならえば「総裁選ガチャ」。

 取材すると、今回は議員たちまで「ガチャ気分」だったらしい。それでは困るが、どうしてそうなのかは考える必要がある。

 当初は「刷新感」がテーマだったが、盛り上がらない。仕込まれたカプセルは「初の女性総裁」「40代へ若返り」が各2個。何とも安直で、ツボを外している。

 よりどころは世論調査の人気順位だったが、小泉進次郎氏がみるみる評価を下げた。中高年の多い党員には若さが頼りなく見えたようだ。

 その感覚に異存はないが、政治記者の目には、小泉氏に代わって急浮上した高市早苗氏と、世論人気を守った石破茂氏の二人も、ずいぶん危なっかしく映る。

 石破氏は中央省庁の地方移転、金融所得課税強化、アジア版集団安全保障体制創設など多くの独自政策を掲げるが、どれもハードルが高い。総裁選での議論は不十分だった。未熟さと夢物語との選択は、まさにガチャ。

 高市氏は政策通を自負する。確かに原子力の話などは詳しいが、よく聞くと、選択的夫婦別姓でも財政赤字の認識でもかなり粗い発言が多く、ハラハラさせる。

 何より議員や官僚、党職員ら二人をよく知るプロたちが、こぞって難色を示す事実は軽くない。

 しかし、世論や一部党員の人気には、プロの見方への反発も加味されているから単純でない。

 こうして議員たちも、よりましなカプセルが出るのを祈り「総裁選ガチャ」のレバーを回した。

 票の割れ方が、党全体の迷いと自信喪失、元首相ら重鎮たちの定見のなさを映し出している。

 総裁選終盤、ロシア・中国・北朝鮮の軍事行動が続き、安全保障環境の厳しさが強く意識された。国家の指導者選びが、ガチャでいいはずはない。(専門編集委員)



記者会見する石破茂新総裁=東京都千代田区で2024年9月27日午後6時17分、藤井達也撮影



 その「総裁選ガチャ」とやらのテレビは、大谷翔平選手のドジャース地区V3と同時に冷やかしで観ていたが、気がついたら「総裁選ガチャ」に重きを置いていた(笑)。

 昨日のNHK時論公論「自民党新総裁は誰に 今後の政局は」に、BSTBS報道1930「総裁選で触れなかった❝問題とは❞」、それと関西テレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ『自民党総裁選のミカタ』」の録画を今日、観ていたが上の伊藤智永さんのコラムのように「何より議員や官僚、党職員ら二人をよく知るプロたちが、こぞって難色を示す事実は軽くない。」を印象づけられた。

 少し前に、ブログの訪問先で私は、「立憲の野田佳彦氏と自民は石破茂氏が代表に選ばれて国会で論戦を戦ったらいい」なんてコメントしていたが、立憲に自民ともに党内を2分するような対立があるらしいことも学んだ。「ガチャ気分」の先生方が国政をやっていたら「日本よ、何処へ行く」それはガチャに聞いてくれなんて洒落にもなりませんね。

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