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本 / 内館 牧子(著)「老害の人」 / 講談社

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迷惑なの! と言われても。

昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。
そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。

双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。

「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。

『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!

定年、終活、人生のあとしまつ……。
自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。
「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。
内館節でさらなる深部に切り込む!   ・・・ amazon.co.jpから 



 目の焦点が合わなくなり、本を遠ざけたり近づけたりしながら実に久しぶりに小説に目を通した。内館 牧子さんの本は「『十二単衣を着た悪魔』 源氏物語異聞」でいっぺんにファンになったが、その後何冊か読んでいた。

 この本の何に興味を持ったかというと自称・頑固親父の私が、まさに「老害の人」になってはならないと感じる教科書だからだろう(笑)。滑稽極まりないが、人生が実にうまく描かれいた。

 NHK BSでもドラマ化していたが(下)、たぶん又地上波でも再放送されるだろう。


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