朝ドラ「虎に翼」で「お黙りなさい!」と寅子(伊藤沙莉)の母( 石田ゆり子)が裁判官(松山ケンイチ)に言ったところ。~NHK+から
このドラマはちょっと骨がありそうな気がする。さて、現代のご婦人はどうなんだろう。とても勉強しているお嬢さんも多そうに感じるが、国会議員にしろ企業では活躍の場は広がっているのだろうか?ドラマの寅子たちがガラスの天井を破って行く姿は痛快だ。我が国で実際に生き抜いた方がモデルなのだから凄いよね。
テーマから外れるかも知れないが、結婚しないお嬢さんにお兄さんはどんどん増えて行っている現象は心配な気がする。この原因は別なところにあるのかな?
毎日新聞 2024/4/16 05:02 有料記事
自分でも感心する習い性に、毎朝見ている朝ドラ(NHK連続テレビ小説)の新シリーズが始まった途端、前のタイトルを忘れる――というのがある。(同感です 笑)
どうしても思い出せず、ネットで調べて「ブギウギ」だったと知る。旧シリーズの予定調和的な終わり方とは対照的に、新シリーズはインパクトで押してくる。そのギャップの影響もあるだろう。
女性を中心に共感の嵐が巻き起こっている「虎に翼」。日本初の女性弁護士の一人で裁判官に転じた、三淵嘉子(みぶちよしこ)さんがモデルだ。
舞台は戦前の東京。主人公の寅子(ともこ)は女学校卒業を控え、どうしてもお見合いに心が動かない。すったもんだの末、大学に進学し法曹界を目指すが、折に触れて繰り出す心の声に「そうそう!」と、毎回ネットが沸騰する。
序盤、最も刺さったセリフは、進学を諦めない寅子に母、はるが放つ一言だ。「頭のいい女が確実に幸せになるためには、頭の悪い女のふりをするしかないの!」
娘の幸せを考え、「いばらの道」への選択を阻もうとするその胸中は痛いほど分かる。一方で、あれから1世紀近くが経(た)った現在にも同じ世界が存在することを嘆かずにはいられない。
最高学府の東京大が直面する「2割の壁」。ジェンダー平等が叫ばれる中、学生の女性比率が2割を行ったり来たりで、なかなか伸びない。
優秀で将来の夢を持った女子高生に「東大卒の女子は就職に不利だよ」「頭のいい女は煙たがられる」と、陰に陽に志望校の変更を勧める事例があるという。思い出話などではなく、現役の女性教授が女子学生から聞いたというから事実だろう。
こんな輩(やから)には、寅子の母よろしく「お黙んなさい!」と言うべし。まあ、いつまでたっても変われない日本なんか捨てて、外国に飛び出す手もあるけどね。
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元村有希子・毎日新聞論説委員=武市公孝撮影
もとむら・ゆきこ
科学ジャーナリスト、同志社大生命医科学部特別客員教授。毎日新聞客員編集委員。人生初の京都暮らしを満喫中。新著に『科学目線』。趣味は散歩、居酒屋、数独
(サンデー毎日2024年4月28日号掲載)
このドラマはちょっと骨がありそうな気がする。さて、現代のご婦人はどうなんだろう。とても勉強しているお嬢さんも多そうに感じるが、国会議員にしろ企業では活躍の場は広がっているのだろうか?ドラマの寅子たちがガラスの天井を破って行く姿は痛快だ。我が国で実際に生き抜いた方がモデルなのだから凄いよね。
テーマから外れるかも知れないが、結婚しないお嬢さんにお兄さんはどんどん増えて行っている現象は心配な気がする。この原因は別なところにあるのかな?
毎日新聞 2024/4/16 05:02 有料記事
自分でも感心する習い性に、毎朝見ている朝ドラ(NHK連続テレビ小説)の新シリーズが始まった途端、前のタイトルを忘れる――というのがある。(同感です 笑)
どうしても思い出せず、ネットで調べて「ブギウギ」だったと知る。旧シリーズの予定調和的な終わり方とは対照的に、新シリーズはインパクトで押してくる。そのギャップの影響もあるだろう。
女性を中心に共感の嵐が巻き起こっている「虎に翼」。日本初の女性弁護士の一人で裁判官に転じた、三淵嘉子(みぶちよしこ)さんがモデルだ。
舞台は戦前の東京。主人公の寅子(ともこ)は女学校卒業を控え、どうしてもお見合いに心が動かない。すったもんだの末、大学に進学し法曹界を目指すが、折に触れて繰り出す心の声に「そうそう!」と、毎回ネットが沸騰する。
序盤、最も刺さったセリフは、進学を諦めない寅子に母、はるが放つ一言だ。「頭のいい女が確実に幸せになるためには、頭の悪い女のふりをするしかないの!」
娘の幸せを考え、「いばらの道」への選択を阻もうとするその胸中は痛いほど分かる。一方で、あれから1世紀近くが経(た)った現在にも同じ世界が存在することを嘆かずにはいられない。
最高学府の東京大が直面する「2割の壁」。ジェンダー平等が叫ばれる中、学生の女性比率が2割を行ったり来たりで、なかなか伸びない。
優秀で将来の夢を持った女子高生に「東大卒の女子は就職に不利だよ」「頭のいい女は煙たがられる」と、陰に陽に志望校の変更を勧める事例があるという。思い出話などではなく、現役の女性教授が女子学生から聞いたというから事実だろう。
こんな輩(やから)には、寅子の母よろしく「お黙んなさい!」と言うべし。まあ、いつまでたっても変われない日本なんか捨てて、外国に飛び出す手もあるけどね。
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元村有希子・毎日新聞論説委員=武市公孝撮影
もとむら・ゆきこ
科学ジャーナリスト、同志社大生命医科学部特別客員教授。毎日新聞客員編集委員。人生初の京都暮らしを満喫中。新著に『科学目線』。趣味は散歩、居酒屋、数独
(サンデー毎日2024年4月28日号掲載)