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余録 / 「みさごは荒磯にいる… / 毎日新聞

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一般公開された陸上自衛隊オスプレイ=佐賀県吉野ケ里町の陸自目達原駐屯地で2023年12月3日午後1時26分、五十嵐隆浩撮影

毎日新聞 2023/12/7 東京朝刊

 「みさごは荒磯にいる。すなわち人を恐るるが故なり。われまたかくのごとし」。草庵(そうあん)に隠れ住んだ鴨長明(かものちょうめい)は方丈記に記した。海辺の絶壁や高い木の上に巣を作るミサゴは声が聞こえてもなかなか姿を現さない

崖の上で羽ばたくミサゴ=北海道知内町の矢越海岸で2015年5月29日、手塚耕一郎撮影

▲タカの仲間だが、魚食に特化した身体的特徴から独立したミサゴ科に分類される。ホバリング(空中停止)して獲物に狙いをつけ、海に飛び込む。英名はオスプレイ。垂直離着陸やホバリングも可能な米軍輸送機の愛称に採用された

▲8人が乗った米空軍のオスプレイが鹿児島の屋久島沖に墜落して1週間が過ぎた。米軍は全員の死亡を発表し、バイデン米大統領が弔意を示した。この間、浮き彫りになったのは同盟のいびつさだろう

▲米軍情報をうのみにした「不時着水」の発表。飛行停止要請をめぐる行き違い。型式が異なるとはいえ、捜索現場に飛び交うオスプレイが象徴的だった。捜査権もなく、機体の残骸は米軍に引き渡された。事故原因をどこまで共有できるのか。心もとない

▲オスプレイはヘリコプターと輸送機を別々に使ったイランでの人質救出作戦失敗の教訓から開発されたという。「一石二鳥」を狙った機体だが、開発段階から事故が相次いだ。米国以外に導入した国は日本だけと聞くと「二兎(にと)を追う者は……」の格言が思い浮かぶ

▲沖縄など米軍基地周辺や自衛隊機が配備される佐賀の人たちが不安を募らせるのも無理はない。同盟の信頼性にも関わる問題だ。米国に情報公開を求めていくことが政府の責務である。

 早朝にこのコラムに目を通していて、出先のテレビで10時頃には「米軍 全世界のオスプレイ飛行停止」の臨時ニュースを見た。12月1日には政府が安全が確認されてから飛行を行うよう日本側が要請していることに対し米国防総省は「日本側の公式要請受けていない」と発表をした。

 日本にとって米国があらゆる面で頼らざるを得ないのは百も承知だが、この一連の報道から感じられるのはまるで社長と平社員のような雰囲気のようだ。

1989年には、日米貿易摩擦の中ソニーの会長である盛田昭夫氏と作家である石原慎太郎氏による共同執筆のエッセイNOと言える日本が出版されたが、夢物語だったのかな?なんて思い出す。

 岸田首相は5月にG7サミットを広島で開催して、9月の国連演説では、“核軍縮”に30億円の拠出を表明 したそうだが、11月27日からの国連本部での核兵器禁止条約の第2回締約国会議にオブザーバーとしての参加もなし。なにか、やっていることがばらばらに思えるんだよね。すべてバイデン社長の指示通りに業務を遂行なさっているのだろうか?(笑)

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