みんなの広場日曜版 / えんま様もうなるうそ / 毎日新聞

毎日新聞 2023/4/2　東京朝刊 有料記事

　方便で使うこともあれば、まことになることもある「うそ」。エープリルフールの笑い話、思いやるからこそ言えなかった真実、うそのような本当の話を紹介します。


正夢になった天の声　無職・玉木よしえ・74（福井県）

　自営業をしていた頃、夫が年末に集金した100万円を競艇につぎ込んだ。全額すったあげく、集金できなかったとうそをついた。真相を知った私は激怒。「何回だますの。仏の顔も三度まで。離婚する」。そう宣言した。

　翌朝、夢を見た。耳元で野太い声の男性が四つの数字を読み上げた。五つ目が聞こえず「えっ？」と聞き直したところで目が覚めた。数字は何となく書き留めたが、何のことやら分からない。もしかしてミニロト？　1～31の中から異なる五つの数字を選ぶ宝くじで、その日は発売日の火曜だった。

　半信半疑どころか「全疑」のまま、その四つの数字に適当に一つ加えて1000円分購入した。何と2等など百二十数万円が当選。その瞬間、しまったと思った。最後の数字を一通り買ったとしても、5200円で1等の千数百万円が当たっていたのに。

　結局、離婚はうやむやになった。「別れるな」という天の声だと思ったからだ。

　 わっはっは、まるで先日テレビで観た映画『キネマの神様』そのものみたいです。私は、全く賭才がないので、競馬もパチンコも麻雀やってみたが、ほんの遊び程度で終わりました。そこにいくと、このご主人は何回も着順を当てたことがあるんでしょうね。また奥さんもミニロトで見事に百二十数万円獲得されるされるなんて運がお強いのでしょう。

　玉木よしえさん、私は75才の何もなし得なかった男です。うやむやになって本当に良かったと思います。もし、映画『キネマの神様』をご覧になっていなかったらレンタルビデオでの観賞をお勧めします。笑ってしまってすみませんでした。みんなの広場への投稿、有難うございました。