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余録 /「お金」をテーマとする最近話題の漫画に… / 毎日新聞

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事例で見るハンガリーのハイパーインフレーション~ShareWis PRESSから


毎日新聞 2022/11/5 東京朝刊 608文字

 「お金」をテーマとする最近話題の漫画に「ハイパーインフレーション」(作・住吉九)がある。ウェブ連載で、単行本も出版されている。タイトルは、貨幣が実質的価値を失うほど急加速するインフレのことだ

▲架空の設定の物語で、主人公の少年は、体から本物と変わらない紙幣を大量に生み出す特殊な力を持っている。世界を牛耳る帝国に経済戦争を仕掛けようと、敵味方を巻き込んで激しい攻防を展開する

▲そんな「打ち出の小づち」のような、特別の能力があると錯覚しているのではないか。政府がまとめた総合経済対策の大盤ぶるまいに、そうした危惧すら抱いてしまう。円安、物価高対策を名目に歳出規模は29兆円超に達した。もともと25兆円規模だったが、与党との調整で一夜で4兆円も増えたのだという

▲もちろん政府に「小づち」はなく、財源の大半は赤字国債発行でまかなう。すでに1000兆円を超す発行残高はさらに膨らみ、ツケは次代に回される

▲しかも、長引く金融緩和で円安が加速している。財政悪化、円安の二つのリスクに挟まれて政策の身動きが取れなくなる怖さを政府・与党も感じているはずだ。そんなリスクを冒して編成される補正予算案に、生活支援との関係が疑わしい項目も指摘されている

▲「ハイパーインフレーション」は作品を通じて「お金とモノの価値」を問いかけるセリフが豊富にある。月内に審議入りする補正予算案は真に価値あるものなのか。その吟味こそ、国会の役割に違いない。


 私も国の経済をスラスラと説明できるわけではないが、トランプ前大統領からイージス・アショア(弾道ミサイル防衛システムの陸上コンポーネント)や最新鋭のステルス戦闘機F35を多数購入することを約束したり、発展途上国への多額の経済援助などの話を聞くたびに、我が国のトップは経済感覚ないのじゃーないかと思ってきたが、上のコラムの政府予算案が自民党・公明党との調整で一夜で4兆円増額したなんて、スマホの計算機ででもはじいたのかい?と言いたくなる。

 官僚さん、しっかりアドバイスしてくれよ~!赤字国債発行残高は今後もどんどん増加して行って、子や孫の代は、社会保障や年金の被害をまともに受けるだろうね。どんぶり勘定の国会議員に日銀総裁の居る国では!

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