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みんなの広場 値上げの歌よりひどい政治家=主夫・寺田暁弘・68 / 毎日新聞

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有馬敲(ありま・たかし)さん。写真は北日本新聞社からお借りした

みんなの広場  値上げの歌よりひどい政治家=主夫・寺田暁弘・68

毎日新聞 2022/10/17 東京朝刊 有料記事

(東京都)
 9月に亡くなった詩人の有馬敲(たかし)さんの詩をフォーク歌手の高田渡さんがひょうひょうと歌う「値上げ」は風刺の利いた面白い歌だ。

 「値上げはぜんぜん考えぬ」で始まるが「ありえない」「消極的」「やむを得ぬ」と値上げがだんだん現実的になり、最後に「値上げにふみきろう」で終わる。

 値上げをめぐる関係者の発言をつなげただけで、次第に変わっていく言葉に、最初は期待したが結局は裏切られ苦しい生活を強いられる庶民の悲哀や怒りが表されている。面白おかしく聞きながらも腹立たしい世の中だと思ったものだ。

 やらないといっていきなりやれば「うそ」になる。うそつき呼ばわりは嫌だから、偉い人たちは時間をかけて議論して決めたか、そういうポーズを見せたのだろう。

 最近はそんな段取りすらなく、手のひらを返すように、やるといったのに手を付けず、やらないといったのに強行するような政治家が多い。うそに慣れてしまって腹を立てない庶民も情けない。

 「値上げ」を作ったお二人は、遠くの空で苦笑いしているのではないか。

 正直なところ私は、日々の生活の物価は、かみさん任せで何も知らない。その分感謝しているつもりだが、現在は、食費から始まって公共料金ほか何から何まで「値上げ」の歌らしい。詩人の有馬敲(ありま・たかし)さんもフォーク歌手の高田渡さんも50年後の詩を歌を語っていたんだね。というより50年経っても政治家さんは同じことを語っているってことか!

 寺田暁弘さん、有難うございました。




値上げ【高田渡】with 高田漣 2003 @吉祥寺音楽祭(貴重映像)(歌詞付)






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