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男の気持ち / ボトルメール 北九州市小倉南区・大野一憲(90歳) / 毎日新聞

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写真はgettyimagesからお借りした

毎日新聞 2022/9/15 西部朝刊 有料記事

 昔々、船舶通信士として海上勤務していた頃のこと。

 当直終了後、就寝まで傾けていた酒やウイスキーの瓶が空っぽになると「このメールを見たら返事をください」と英語でタイプライターを打ち、投下の日時、船の位置などを添えて空瓶に入れ、広大無辺な海原に投じた。

 東南アジアの海辺に落ちたヤシの実が海流に乗ってはるばる日本の浜辺に漂い着くように、このボトルメールもいつの日にか、どこかの国の海浜に漂着し、異国の人に拾われて読まれることを空想した。

 当時、東南アジア方面に運航していた貨物船に乗船勤務していたので、遠く太平洋の黒潮に流されてアメリカ、カナダ、ロシアあたりの海浜に漂着することを期待した。

 投下して約1年、乗船勤務を終えて自宅で休暇中、フィリピン近海で投じたボトルメールにフィリピンの人から返事があった。もちろん英語で。これ以後、10本以上投下したが、現在までに全く返事がないので、いまだに海流に乗れず、大海を漂っているのかもしれない。

 近年、瞬時に世界の隅々まで情報が伝わるようになった。SNS、ズーム、ユーチューブなどを使ってみたいと思うこともあるが、やり方を理解できない。デジタルには程遠い、アナログ的老骨の私は流れに乗れず、大海を漂っているボトルと同じではないかと愚考している。


 いや~、なんだかいいですね~。ほんと初めてブログを開いて、見ず知らずの人とコメントのやりとりをした時も新鮮でしたね。さらに外国に住んでいる人と、正に瞬時にブログの相互訪問した時も私の「ボトルメール」?が届くんだ!と感動的でした。でも新鮮さが無くなった今は、「空瓶にメールを入れて、広大無辺な海原に投じる」なんてとっても夢がありますね。いつの間にかデジタルな世界に首まで浸かってしまっているけど、アナログな世界の方が長閑でいいですね~。私は福岡市で育ちました。大野一憲さんの目には届かないかもしれませんが、有難うございました。

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