幕末の庄内地方。海坂藩の御蔵役を務める井口清兵衛(真田広之)は、夕刻の終業の太鼓の音を聞くと同僚の酒の誘いも断り真っ直ぐ自宅に帰り、家事と内職にいそしんでいた。認知症を抱える老母と幼い2人の娘の世話、そして労咳で死んだ妻の薬代や葬儀などで嵩んだ借金を返済するためだ。日々の暮らしに追われ、着の身着のままの貧乏生活で身なりが薄汚れていく清兵衛。同僚の中には、そんな彼を陰で「たそがれ清兵衛」と呼んで小馬鹿にする者もいた。
監督 山田洋次、原作 藤沢周平、出演者 真田広之、宮沢りえ、田中泯、小林稔侍、岸惠子、丹波哲郎~ウィキペディア
いやー、良かった、良かった。私の19歳上の長兄が、よく『たそがれ清兵衛』の話をしていた。そしてBS12トゥエルビで録っていた作品を観ると、最後の果し合いこそなかろうが、主演の井口清兵衛役の真田広之が兄の半生と重なって見え、じーんと来て夢中で観ていた。我が家は、祖母と、父(1900年生まれ)、母(1908年)、長兄(1928年)、次兄、姉3人の下に父が戦地から戻って私が誕生している。東京暮らしの頃は、たぶんはぶりも良かったんだろう。
親子みたいな長兄と私、16~17年以前福岡で。
長兄は熊本の陸軍幼年学校で終戦を迎え、疎開先の福岡で外事専門学校から、九州大学に進んだ時は大学にはほとんど通わず、米軍板付基地でアルバイトして月に1万円を大家族に入れていたと聞く。次兄が中学の時は教科書を買うお金がなく、次兄が友人から借りて来た英語の教科書を一晩でタイプ打ちしてもらった時は、とても嬉しかったと次兄が話していた。
そんな貧乏のどん底を潜り抜けながら(私は古い大きな家に住んで幼かったからか貧乏を実感したことがない)、長兄は大学卒業後、通訳などを経てアメリカのフルブライト・プログラム留学試験に合格して、帰国後日本航空に入社してアホみたいに世界をかけ巡っていたが、1955年(52歳)からIATA(国際航空運送協会)のアジア南太平洋地区代表にアジア人で初めて就任して、シンガポールに赴任した。
1983年に帰国したが、翌年に義姉が亡くなり2013年まで東京で一人暮らし(子供には恵まれなかった)。誰にでも偉ぶらずに、常に淡々接していたところなんか、映画の主人公、井口清兵衛(真田広之)に似ている。そうそう福岡の外事専門学校の同窓だった兄嫁と結婚式を挙げた教会に両親が出向いたら、二人でテーブルを並べていたと話していたね。兄貴から昔の苦労談なんて一度も聞いたことがなかった。「兄さん、やっと『たそがれ清兵衛』観たよ!」
下のメイキング映像は32分弱だが、映画の本編を観た方だと興味をそそると思う。
31分51秒の【真田広之】たそがれ清兵衛の裏側★未公開シーン・撮影風景・インタビューなど【Hiroyuki Sanada】
監督 山田洋次、原作 藤沢周平、出演者 真田広之、宮沢りえ、田中泯、小林稔侍、岸惠子、丹波哲郎~ウィキペディア
いやー、良かった、良かった。私の19歳上の長兄が、よく『たそがれ清兵衛』の話をしていた。そしてBS12トゥエルビで録っていた作品を観ると、最後の果し合いこそなかろうが、主演の井口清兵衛役の真田広之が兄の半生と重なって見え、じーんと来て夢中で観ていた。我が家は、祖母と、父(1900年生まれ)、母(1908年)、長兄(1928年)、次兄、姉3人の下に父が戦地から戻って私が誕生している。東京暮らしの頃は、たぶんはぶりも良かったんだろう。
親子みたいな長兄と私、16~17年以前福岡で。
長兄は熊本の陸軍幼年学校で終戦を迎え、疎開先の福岡で外事専門学校から、九州大学に進んだ時は大学にはほとんど通わず、米軍板付基地でアルバイトして月に1万円を大家族に入れていたと聞く。次兄が中学の時は教科書を買うお金がなく、次兄が友人から借りて来た英語の教科書を一晩でタイプ打ちしてもらった時は、とても嬉しかったと次兄が話していた。
そんな貧乏のどん底を潜り抜けながら(私は古い大きな家に住んで幼かったからか貧乏を実感したことがない)、長兄は大学卒業後、通訳などを経てアメリカのフルブライト・プログラム留学試験に合格して、帰国後日本航空に入社してアホみたいに世界をかけ巡っていたが、1955年(52歳)からIATA(国際航空運送協会)のアジア南太平洋地区代表にアジア人で初めて就任して、シンガポールに赴任した。
1983年に帰国したが、翌年に義姉が亡くなり2013年まで東京で一人暮らし(子供には恵まれなかった)。誰にでも偉ぶらずに、常に淡々接していたところなんか、映画の主人公、井口清兵衛(真田広之)に似ている。そうそう福岡の外事専門学校の同窓だった兄嫁と結婚式を挙げた教会に両親が出向いたら、二人でテーブルを並べていたと話していたね。兄貴から昔の苦労談なんて一度も聞いたことがなかった。「兄さん、やっと『たそがれ清兵衛』観たよ!」
下のメイキング映像は32分弱だが、映画の本編を観た方だと興味をそそると思う。
31分51秒の【真田広之】たそがれ清兵衛の裏側★未公開シーン・撮影風景・インタビューなど【Hiroyuki Sanada】