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余禄  おかしなことに古代人の選挙では… / 毎日新聞

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露作家・エヴゲーニイ・ザミャーチン

毎日新聞 2021/12/21 東京朝刊

「おかしなことに古代人の選挙では、選挙の結果すらあらかじめ分かっていなかったのである」。露作家ザミャーチンの未来小説「われら」の一節で、その未来では選挙の結果はあらかじめ分かっているのだ

▲この「単一国」は個の意識を失った人々を絶対的な支配者「恩人」が統治する社会だった。恩人は年1度の「満場一致デー」で選出されたのである。誰しも「1984」や「すばらしい新世界」などの逆ユートピア小説を連想しよう

▲「われら」はそれらに先立つ1920年に革命間もないソ連で書かれ、本国では反ソ宣伝だと発禁になった。だが「結果があらかじめ分かった選挙」は小説の26世紀を待たず、すぐに左右の独裁体制の見慣れた光景になってしまった

香港の立法会選挙の「当選者は親中派一色」もその最新版だろう。新たな選挙制度で民主派は排除され、自称「民主派」候補が親中派の推薦で立候補できたのは公正を装う目くらましのつもりか。棄権や白票の呼びかけは禁じられた


立法会選で勝利し、記者会見に臨む親中派政党の候補者ら=香港で2021年12月20日、AP

▲だが投票率は民主派の棄権で30%という空前の低率となった。「馬を水辺に連れて行けても、水を飲ますことはできない」のである。親中派支配を正当化するはずの選挙が、かえってそのいかがわしさを世界中に知らせることになった

▲ザミャーチンは国家と機械文明の発達がもたらす異常な力への警告として「われら」を書いたという。強権政治と科学技術との融合で、今や世界の先端を行く中国が仕組んだ香港の「満場一致デー」である。

 中国や香港にロシアのことはほとんど知らないが、反面教師として注目しておく必要があるだろうね。ん?日本の選挙や裁判所も後追いしてはいないかい?自民党に保守強硬派が居るのなら、リベラルがモットーなはずの宏池会 岸田文雄会長も毅然としていてもらわなくては、政権交代は夢のまた夢になりつつあるのだから。

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