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嵐山 光三郎 (著) 「漂流怪人・きだみのる」は、絶対面白い!

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 クモの巣の横を、またヤモリが走った。ヤモリは黒い稲妻みたいに斜めに走る。部屋のクモの巣はとり払ってはいかんよ。このあたりはヤブ蚊が多くてな、クモはヤブ蚊や虻(あぶ)や、ハエをつかまえて食ってくれる。ヤモリも虫を食う、まあ同居人みたいなものさ。恩方村の寺に住んでいたころは、天井にコウモリがぶらさがっていたよ。で条件はどうなっておるか。・・・小学館の文庫本から

 上記は28歳の嵐山光三郎と編集長が、きだみのるに原稿を頼むため棲家を探し当てて、訪ねた時のきだみのるの口から出た言葉だが、これは序章もいいところ!

 青年嵐山が出会った、破天荒学者の痛快評伝
きだみのるはファーブル『昆虫記』の訳者で、戦後『モロッコ紀行』を書いたブライ派の学者である。雑誌「世界」に連載した『気違い部落周游紀行』はベストセラーになり、渋谷実監督、淡島千景主演で映画になり大ヒット。嵐山は『太陽』(平凡社)の編集部員であった28歳のとき、きだみのる(75歳)と謎の少女ミミくん(7歳)と一緒に取材で各地をまわった。きだ怪人のハテンコウな行状に隠された謎とは何か?・・・単行本のPRから

 いやはや、まだ読みはじめたばかりだが、ここに紹介したくなった(笑)。 文庫本には平松洋子南伸坊松山巌 三氏の解説あり。フランス趣味と知識人への嫌悪、反国家、反警察、反左翼、反分断で女好き、果てることのない食い意地、人間のさまざまな欲望がからみあった冒険者、ハテンコウな行状に隠された謎 等々と書かれている。

 私からみると世捨て人のような、悟りを開いたような、まるで乞食のような、一言で云うなら得たいの知れない人物?なのかな~。さあ、続きを読もう!!!

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