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土記  軽石に学ぶ火山国=青野由利 / 毎日新聞

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毎日新聞  <do-ki> 2021/11/20 東京朝刊 有料記事  

 ガーデニングをする人には赤玉土鹿沼土はおなじみだろう。植物によって使い分けられ、「サツキやツツジは鹿沼土」などといわれる。

 これまで、その由来を考えてみたことがなかったが、福徳岡ノ場の噴火による軽石の漂着をきっかけに知り、不覚にも驚いた。

 鹿沼土は元をただせば数万年前の群馬県・赤城火山の噴火による軽石だという。風に乗って栃木県や茨城県に降り注ぎ堆積(たいせき)した。

 赤玉土は関東ローム層が由来。つまり、富士山や箱根山、浅間山などの噴火に伴う火山灰が起源ということになる。

 何を今ごろ?とあきれられたかもしれない。考えてみれば日本は111もの活火山を擁する世界有数の火山国。国土の至る所に火山噴出物が積もっているのは当然といえば当然だ。

 それを活用する試みも園芸用の土に限らない。折しも先月、神奈川県立産業技術総合研究所と鹿児島県工業技術センターのチームが火山由来の軽石で新素材を作ったと発表していた。

 鹿児島県を中心に広がるシラス台地は約3万年前、現在の錦江湾で巨大噴火が起きた時の噴出物が起源だ。チームはそこに含まれるシラス軽石を水酸化ナトリウムで処理し、表面をゼオライト化した。水に浮く吸着材として、放射性物質除染など環境浄化などに使えるという。


沖縄県浦添市西海岸に漂着した軽石=15日午後、浦添市西洲付近
 チームによると、福徳岡ノ場の軽石も性質が似ていて、同様にゼオライト化できる可能性がある。非常に浮力が強い点でも利用価値がありそうだという。

 もちろん、これで漂着軽石問題は解決、というわけではない。最初は沖縄本島や鹿児島県の離島。その後、伊豆諸島の一部でも見つかり、今後も海流に乗ってさらに広く漂着する可能性がある。

 福徳岡ノ場は1986年にも噴火した。この時も軽石は沖縄や愛媛県、和歌山県、神奈川県・平塚海岸など相模湾岸でも見つかっていたというから油断はできない。

 漁業にとって大問題だし、生態系への影響もある。沿岸にある原発の冷却に支障がないよう目配りも欠かせない。さまざまな手立てが必要だ。

 一方で、日本が火山国であることに改めて思いをはせるきっかけにもなるといい。マリンレジャーは大打撃だが、代わりに火山や地質について学ぶジオツアーはできないだろうか。

 火山でも地震でも地球の時間は人間の時間とは違う。園芸店に行ったらそんなことにも思いをはせたい。(専門編集委員)
 
 完全に理解は出来ていないけど、少しだけ勉強させてもらった!う~ん、現代科学も文明もどこまで発達しても地球の変化には後追いしかないみたいだね。現在でも簡単には解決出来そうにない軽石の漂着問題、ニュースをぼーっと見ているだけだが、被害を受けている方々にはお見舞い申し上げます。国は動いているのかな?

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