『日本沈没 ―希望のひと―』
第1話5分でまるわかりダイジェスト!から
毎日新聞 2021/11/5 東京朝刊
「かつて繁栄していて後に海底に沈んでしまった島」。民俗学者の柳田国男(やなぎた・くにお)は著作「島の人生」で長崎県五島列島に伝わる「高麗島(こうらいじま)」を紹介している。石地蔵の顔が赤くなれば大難の前兆というお告げを聞き、いたずら者が顔を赤く塗った。すると、瞬く間に島が沈んだという
▲柳田は大分県の「瓜生島(うりゅうじま)」伝説にも触れる。地震で水没したとされる別府湾の島の話で実際の災害を反映したという説がある。「日本沈没」が迫真性を持った小説になり、映像化される地震列島である。島が沈む天変地異の伝承は不思議ではない
▲天罰や地震ではなく、人の営為が島を沈めた話なら昔の人も取り合わなかったのではないか。しかし、それが現実になりかけているのが今の世界である。温暖化で海面上昇が進めば水没すると危機感を強める島嶼(とうしょ)国は少なくない
▲英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)。南太平洋のキリバスやツバルなど44カ国・地域で作る「小島嶼国連合」の代表は「温暖化への責任が小さい我々が最大の代償を払っている」と先進国の対応を批判した
▲岸田文雄(きしだ・ふみお)首相は総選挙後に強行日程で訪英し「気候変動という課題に総力を挙げて取り組む」と表明した。だが、石炭などの火力発電に固執する日本は2回連続の不名誉な「化石賞」を受けた
▲柳田は「島国の日本は妙に島の事に注意せぬ」と書いている。そんな評判を生まぬよう、危機に直面する島嶼国に寄り添う姿勢が必要ではないか。
テレビドラマ「日本沈没・・・」のように首都東京が沈没したら日本は壊滅だろうが、キリバスやツバルなど44カ国は、国全体が沈没してしまう危機だというんだから、呑気にテレビドラマを観ながら一喜一憂している場合ではないよね。
そして我が国の総理はCOP26で「脱石炭」ではなく、100億ドルの(約11兆3千500億円)追加支援なんだそうだ。石炭と100億ドルのどちらが価値があるのか分からないが、日本の財政も沈没しそう!ああ、日本列島よどこに行く?
第1話5分でまるわかりダイジェスト!から
毎日新聞 2021/11/5 東京朝刊
「かつて繁栄していて後に海底に沈んでしまった島」。民俗学者の柳田国男(やなぎた・くにお)は著作「島の人生」で長崎県五島列島に伝わる「高麗島(こうらいじま)」を紹介している。石地蔵の顔が赤くなれば大難の前兆というお告げを聞き、いたずら者が顔を赤く塗った。すると、瞬く間に島が沈んだという
▲柳田は大分県の「瓜生島(うりゅうじま)」伝説にも触れる。地震で水没したとされる別府湾の島の話で実際の災害を反映したという説がある。「日本沈没」が迫真性を持った小説になり、映像化される地震列島である。島が沈む天変地異の伝承は不思議ではない
▲天罰や地震ではなく、人の営為が島を沈めた話なら昔の人も取り合わなかったのではないか。しかし、それが現実になりかけているのが今の世界である。温暖化で海面上昇が進めば水没すると危機感を強める島嶼(とうしょ)国は少なくない
▲英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)。南太平洋のキリバスやツバルなど44カ国・地域で作る「小島嶼国連合」の代表は「温暖化への責任が小さい我々が最大の代償を払っている」と先進国の対応を批判した
▲岸田文雄(きしだ・ふみお)首相は総選挙後に強行日程で訪英し「気候変動という課題に総力を挙げて取り組む」と表明した。だが、石炭などの火力発電に固執する日本は2回連続の不名誉な「化石賞」を受けた
▲柳田は「島国の日本は妙に島の事に注意せぬ」と書いている。そんな評判を生まぬよう、危機に直面する島嶼国に寄り添う姿勢が必要ではないか。
テレビドラマ「日本沈没・・・」のように首都東京が沈没したら日本は壊滅だろうが、キリバスやツバルなど44カ国は、国全体が沈没してしまう危機だというんだから、呑気にテレビドラマを観ながら一喜一憂している場合ではないよね。
そして我が国の総理はCOP26で「脱石炭」ではなく、100億ドルの(約11兆3千500億円)追加支援なんだそうだ。石炭と100億ドルのどちらが価値があるのか分からないが、日本の財政も沈没しそう!ああ、日本列島よどこに行く?