毎日新聞 2021/10/30 東京朝刊 有料記事
息子は学生の頃から夜遊び朝帰り、午後まで爆睡生活がやまず、社会人2年目の今も連休で帰省した際はどこかへ出かけて夜明けごろに帰宅します。何か悪事をしているのでは、女性にたぶらかされているのでは、と心配で夜も眠れません。息子は「人と会っていた」と言うだけで取り合わず、家族は「もう手遅れ」と言っています。容認するしかないでしょうか。(64歳・男性)
心配のネタとなっている息子さん、いったいいくつかと思えば26歳、もう立派な大人ではありませんか。しかも午後まで爆睡していようと一応は社会人として生きているわけで、もう親がああだこうだと言っても聞き入れてもらえる段階ではないでしょう。それに、その年齢であれば苦いも辛いもさまざまな経験をして当然です。女性にたぶらかされることまでおもんぱかっていたらキリがありません。
大人になった息子をまるで子供のように心配するあなたもさることながら、干渉されつつも甘やかされて生きることに慣れてしまっている息子さんも息子さんです。帰省しないでもらうか、または諦めていつまでも心配し続けるしか選択肢はないでしょう。独立した息子がどこでどんな人生を送ろうと、それがあなたの理想通りではなくても、もう放っておくしかないのです。子育てという役割は終わったのだから過干渉はやめましょう。
親離れ子離れができないのは、怠惰さのあらわれです。人は喪失感や寂しさといったつらさを極力避けて生きようとしますが、それだと人間が本来持つべきたくましさや強さはいつまでも身につきません。同居しながら毎日が朝帰りであれば1人暮らしを促すところですが、たまに戻って来る26歳にもなる息子が父親を気にして朝帰りもできない方がむしろ問題じゃないかと思います。(漫画家)
海外暮らしが長いヤマザキマリさんによる、鋭くて深い人生相談の連載をまとめた本「ヤマザキマリの人生談義 悩みは一日にして成らず」が11月9日に発売されます。毎日新聞出版、税込み1540円。
はっはっは、かなり手厳しい回答ですね。よく見かけるのは相談者の気持ちにより添って、あたりさわりなく、かつ、うまくまとめてある文章はよく見かけますが・・・。私は「テルマエ・ロマエ」の映画をテレビで観て、テレビの対談などのヤマザキ マリさんの語る話は興味深く聞き入る方です。
私も息子が20歳くらいの学生の時、一度だけ気合を入れたことがありますが、その後はアナ雪のLet It Go「ありのままで」か、ビートルズのlet it be 「放っておけ、そのままにしろ、なすがままに」という感じでしたね。たぶん私の怖さは知っているのだと思いますが・・・。
それより、甥や孫の方が気になっている自分が今居ます。これこそ、もっとどうにもならない距離がありますけど(笑)
息子は学生の頃から夜遊び朝帰り、午後まで爆睡生活がやまず、社会人2年目の今も連休で帰省した際はどこかへ出かけて夜明けごろに帰宅します。何か悪事をしているのでは、女性にたぶらかされているのでは、と心配で夜も眠れません。息子は「人と会っていた」と言うだけで取り合わず、家族は「もう手遅れ」と言っています。容認するしかないでしょうか。(64歳・男性)
心配のネタとなっている息子さん、いったいいくつかと思えば26歳、もう立派な大人ではありませんか。しかも午後まで爆睡していようと一応は社会人として生きているわけで、もう親がああだこうだと言っても聞き入れてもらえる段階ではないでしょう。それに、その年齢であれば苦いも辛いもさまざまな経験をして当然です。女性にたぶらかされることまでおもんぱかっていたらキリがありません。
大人になった息子をまるで子供のように心配するあなたもさることながら、干渉されつつも甘やかされて生きることに慣れてしまっている息子さんも息子さんです。帰省しないでもらうか、または諦めていつまでも心配し続けるしか選択肢はないでしょう。独立した息子がどこでどんな人生を送ろうと、それがあなたの理想通りではなくても、もう放っておくしかないのです。子育てという役割は終わったのだから過干渉はやめましょう。
親離れ子離れができないのは、怠惰さのあらわれです。人は喪失感や寂しさといったつらさを極力避けて生きようとしますが、それだと人間が本来持つべきたくましさや強さはいつまでも身につきません。同居しながら毎日が朝帰りであれば1人暮らしを促すところですが、たまに戻って来る26歳にもなる息子が父親を気にして朝帰りもできない方がむしろ問題じゃないかと思います。(漫画家)
海外暮らしが長いヤマザキマリさんによる、鋭くて深い人生相談の連載をまとめた本「ヤマザキマリの人生談義 悩みは一日にして成らず」が11月9日に発売されます。毎日新聞出版、税込み1540円。
はっはっは、かなり手厳しい回答ですね。よく見かけるのは相談者の気持ちにより添って、あたりさわりなく、かつ、うまくまとめてある文章はよく見かけますが・・・。私は「テルマエ・ロマエ」の映画をテレビで観て、テレビの対談などのヤマザキ マリさんの語る話は興味深く聞き入る方です。
私も息子が20歳くらいの学生の時、一度だけ気合を入れたことがありますが、その後はアナ雪のLet It Go「ありのままで」か、ビートルズのlet it be 「放っておけ、そのままにしろ、なすがままに」という感じでしたね。たぶん私の怖さは知っているのだと思いますが・・・。
それより、甥や孫の方が気になっている自分が今居ます。これこそ、もっとどうにもならない距離がありますけど(笑)