NHK NEWSWEB 2021年4月29日 18時07分(動画あり)
アメリカのバイデン大統領は議会で初めての施政方針演説にのぞみ、中間層を重視し格差の是正に取り組む政策を進める方針を示しました。さらに中国の指導体制を専制主義だとしてこれに対する民主主義の重要性を強調し、「21世紀の競争を勝ち抜く」と訴えました。
バイデン大統領は28日、就任から100日を迎えるのを前に議会上下両院の合同会議で初めての施政方針演説にのぞみました。
1時間余りにわたった演説ではまず「今、100日がたちアメリカは再び動きだした」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大や経済的な危機の収束に向けた兆しがあると成果をアピールしました。
そのうえで「中間層がこの国を築いた」と述べ、
▽雇用を生み出すインフラ投資や子育て世帯を支援する大規模な予算計画の実現と
▽大企業や富裕層の負担を増やす税制改革を進めて格差の是正に取り組む方針を示しました。
また、演説では中国にたびたび言及し習近平国家主席を専制主義者だとしたうえで「彼は中国を世界で最も重要で影響力のある国にしようと真剣に取り組んでいる。民主主義は合意を得るのに時間がかかりすぎるため、専制主義に対抗できないと考えている」と述べました。
そして「アメリカの労働者や産業を弱体化させる不公正な貿易慣行には立ち向かう」としたうえで、インド太平洋地域で強力な軍事的影響力を維持する考えを示しました。
さらに、ことし1月の連邦議会議事堂の乱入事件や国内の分断にも言及したうえで「われわれは民主主義がまだ機能することを証明しなくてはならない。専制主義国家が未来を勝ち取ることはない。アメリカが勝つ。光と希望をもって21世紀の競争に勝ち抜くために新たな力と決意を奮い起こす」と訴えました。
また、バイデン大統領は演説で繰り返し野党・共和党に党派を超えた協力を呼びかけましたが、議会下院の共和党トップ、マッカーシー院内総務は演説についてツイッターに「すべてはメールですむ話ではないか」と皮肉を込めたような内容の投稿をし、今後の政権運営は困難も予想されます。
いやー、実にスマートな演説だな~、流石!と思ったのは日本のトップやトランプ氏の演説との比較してのことだったのか?(笑)。BSフジLIVE プライムニュースを観ていたら、国内向けが大半で、対中国も触り程度、「自由で開かれたインド太平洋戦略」なんてのも北大西洋条約機構(NATO)みたいな条約でもなんでもないんだって。難しいことは理解していないが、先の日米トップ会談も含めて我が国への負担増がじわじわと押し付けられてくるような印象だ。
先頭に載せた「マダム・スピーカー、マダム・バイスプレジデント」の呼びかけの絵や、何回も繰り返されるスタンディングオベーション(総立ちになっての拍手喝采)に見とれてしまっていた(爆)。大統領のブレーンさんたち、「たのんまっせ~!」
追記
昨晩投稿した段階では、BSフジLIVE プライムニュースを1/3くらいしか観ていなかったが、全部見終えたらとても興味深かった。上のリンク先からはビデオですべてを見ることが出来ると思います。この日のテーマである【日本はバイデン政権とどう向き合うか?】についての番組の最後のゲストの「私の提言」を下に記します。
古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員 麗澤大学特別教授 「より強固で明確な主張を」
バイデン政権の対中政策は、強いところ、柔らかいところがあって、まだらである。いざ行動をとるかどう出るか分からない。日本もいろんな複雑なシナリオを考えていなければならないわけで、米中の対立が緩和されたら、中国が日本に対する態度を強くするかも知れない。日本はより国益に沿った態度を明確に強くしていかなければならない。
ピーター・ランダース ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局長 「価値観の調整」
人権については、日米首脳会談で話題になったし、日本の立場もあると思うが、必ずアメリカと価値観が100%一致する必要は全くない。価値観の調整抜きには日米関係は進まない。日本の価値観もしっかり出していくことがこれからの日米同盟に必要なことだと思う。
中山俊宏 慶応義塾大学総合政策学部教授 「宿題に非ず」
日米関係で、総理が訪米なんかすると、「何かワシントンから宿題もらって帰ってきちゃった」という論調が先日もあったと思うが、たぶん今は中国との戦略的競争の中で、日本自身が最前線に立っている。つまり宿題ではなくて自分たちの課題だ。メデイアに対する批判でもあるが、「お土産と宿題」という言葉を使って日米関係を表現するのは止めよう。
アメリカのバイデン大統領は議会で初めての施政方針演説にのぞみ、中間層を重視し格差の是正に取り組む政策を進める方針を示しました。さらに中国の指導体制を専制主義だとしてこれに対する民主主義の重要性を強調し、「21世紀の競争を勝ち抜く」と訴えました。
バイデン大統領は28日、就任から100日を迎えるのを前に議会上下両院の合同会議で初めての施政方針演説にのぞみました。
1時間余りにわたった演説ではまず「今、100日がたちアメリカは再び動きだした」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大や経済的な危機の収束に向けた兆しがあると成果をアピールしました。
そのうえで「中間層がこの国を築いた」と述べ、
▽雇用を生み出すインフラ投資や子育て世帯を支援する大規模な予算計画の実現と
▽大企業や富裕層の負担を増やす税制改革を進めて格差の是正に取り組む方針を示しました。
また、演説では中国にたびたび言及し習近平国家主席を専制主義者だとしたうえで「彼は中国を世界で最も重要で影響力のある国にしようと真剣に取り組んでいる。民主主義は合意を得るのに時間がかかりすぎるため、専制主義に対抗できないと考えている」と述べました。
そして「アメリカの労働者や産業を弱体化させる不公正な貿易慣行には立ち向かう」としたうえで、インド太平洋地域で強力な軍事的影響力を維持する考えを示しました。
さらに、ことし1月の連邦議会議事堂の乱入事件や国内の分断にも言及したうえで「われわれは民主主義がまだ機能することを証明しなくてはならない。専制主義国家が未来を勝ち取ることはない。アメリカが勝つ。光と希望をもって21世紀の競争に勝ち抜くために新たな力と決意を奮い起こす」と訴えました。
また、バイデン大統領は演説で繰り返し野党・共和党に党派を超えた協力を呼びかけましたが、議会下院の共和党トップ、マッカーシー院内総務は演説についてツイッターに「すべてはメールですむ話ではないか」と皮肉を込めたような内容の投稿をし、今後の政権運営は困難も予想されます。
いやー、実にスマートな演説だな~、流石!と思ったのは日本のトップやトランプ氏の演説との比較してのことだったのか?(笑)。BSフジLIVE プライムニュースを観ていたら、国内向けが大半で、対中国も触り程度、「自由で開かれたインド太平洋戦略」なんてのも北大西洋条約機構(NATO)みたいな条約でもなんでもないんだって。難しいことは理解していないが、先の日米トップ会談も含めて我が国への負担増がじわじわと押し付けられてくるような印象だ。
先頭に載せた「マダム・スピーカー、マダム・バイスプレジデント」の呼びかけの絵や、何回も繰り返されるスタンディングオベーション(総立ちになっての拍手喝采)に見とれてしまっていた(爆)。大統領のブレーンさんたち、「たのんまっせ~!」
追記
昨晩投稿した段階では、BSフジLIVE プライムニュースを1/3くらいしか観ていなかったが、全部見終えたらとても興味深かった。上のリンク先からはビデオですべてを見ることが出来ると思います。この日のテーマである【日本はバイデン政権とどう向き合うか?】についての番組の最後のゲストの「私の提言」を下に記します。
古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員 麗澤大学特別教授 「より強固で明確な主張を」
バイデン政権の対中政策は、強いところ、柔らかいところがあって、まだらである。いざ行動をとるかどう出るか分からない。日本もいろんな複雑なシナリオを考えていなければならないわけで、米中の対立が緩和されたら、中国が日本に対する態度を強くするかも知れない。日本はより国益に沿った態度を明確に強くしていかなければならない。
ピーター・ランダース ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局長 「価値観の調整」
人権については、日米首脳会談で話題になったし、日本の立場もあると思うが、必ずアメリカと価値観が100%一致する必要は全くない。価値観の調整抜きには日米関係は進まない。日本の価値観もしっかり出していくことがこれからの日米同盟に必要なことだと思う。
中山俊宏 慶応義塾大学総合政策学部教授 「宿題に非ず」
日米関係で、総理が訪米なんかすると、「何かワシントンから宿題もらって帰ってきちゃった」という論調が先日もあったと思うが、たぶん今は中国との戦略的競争の中で、日本自身が最前線に立っている。つまり宿題ではなくて自分たちの課題だ。メデイアに対する批判でもあるが、「お土産と宿題」という言葉を使って日米関係を表現するのは止めよう。